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第2話

姫の同意を得ることができたので、それではさっそくと、ことに及ぼうとすると、どういうわけか姫の方から僕の衣の紐を解こうとし始めた。 「……姫?」 不審に思って問いかけると、姫は恥ずかしそうにうつむいた。 「どうぞこのまま、私(わたくし)に任せてはいただけないでしょうか。  ……実は、あの方は最後にいらっしゃった時、私に「褥(しとね)に寝転がっているだけの女にもう用はない」と言い捨てて行かれたのです。  ですから、寝転がっているだけでは、あなた様もあの方と同じように私を置いていかれるのではないかと思うと怖くて……」 「何を馬鹿なことを。  私はその男のように情のない男ではありませんよ。  どうぞそのような心配をなさらないでください」 そう言って姫をなだめたが、姫は黙って首を横に振るばかりであった。 ……まあ、そういう事情があるのなら仕方がないのかもしれない。 どうやら姫は私よりいくらか年上であるようだし、ここは思い切って姫に任せてしまった方がいいだろう。 「わかりました。  それでは姫にお任せいたしましょう」 僕がそう答えると、姫は小さな声で「ありがとうございます」と言った。 僕も手伝いながら衣を脱いで、小袖だけになると、姫は僕を立たせたままで、小袖の裾を割った。 まだ柔らかい僕のモノを手に取った姫は、それを両手でそっと包み込んだ。 少し骨張った姫の手は絶妙な力加減で僕のモノを育てていく。 そのうちに姫は、竿の下にある袋までそっと揉みだした。 「……っ!」 あまりの悦さに声が出そうになるが、男の沽券(こけん)にかかわるので、どうにか声を嚙み殺す。 すでに僕のモノは勃ち上がっていて準備万端なので、そろそろ姫を押し倒そうかと思ったのだが、それは叶わなかった。 なぜなら姫がいきなり、勃ち上がった僕のモノを、その口でぱっくりと咥えてしまったからだ。 「お、おやめください!  そこまでなさらなくても……」 僕は姫を止めようとしたのだが、姫は小さく首を振るだけで、僕のモノから口を離そうとはしなかった。 そこまでしてもらって申し訳ないと言う気持ちはあったが、それ以上に姫が僕のためにそこまで必死になってくれることが嬉しくもある。 姫の口の中は暖かくて手以上に心地よく、そのうえ姫はどうやって覚えたのか、男が感じるツボを妙に心得ていて、僕はたちまち達してしまいそうになる。 「姫、もうそろそろ……」 ここで達するわけにはと、やんわりと姫を押しのけようとしたが、姫はますます僕のモノを深く咥え込んだ。 「あっ、だめ!  やめ、あ、ああー……」 とうとう耐えられなくなって、僕は姫の口の中で達してしまった。 あまりの気持ちよさにしばらく惚けてしまったが、姫の喉がごくりと鳴ったのが聞こえて、僕ははっと我に返った。 「ま、まさか飲んだんですか⁈  申し訳ありません!」 姫自らが進んでやったこととはいえ、何ということをさせてしまったのだとあたふたしていると、姫は口元を手でぬぐってから口を開いた。 「なに、君が気にするほどのことでもないよ」 そう言った声も口調も、さっきまでの姫のものとはまるで違う、まるで男のもののようだった。 「え?」 僕が思わず声をあげるのと同時に姫はさっと立ち上がると、あっという間に僕を褥の上に押し倒してしまった。

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