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第3話
「ひ、姫⁈」
僕の困惑など全く構わず、姫はばさばさと自分の衣を脱いでいく。
女性にあるまじき、その平らで鍛えらた胸と引き締まって割れている腹と、さらには股ぐらについている立派なモノを目にした僕は、あまりの驚きに声も出ない。
最後に姫──とは、とてもじゃないが呼べない本性を見せた男は、長く美しい髪も取ってしまい、僕と変わらない髪の長さになった。
「お、男?」
僕の驚きの声に、男は笑って言い返す。
「もう今さら男だとか女だとかは、ささいな問題だとは思わないかい?
ねえ、背の君」
そう言うが早いか、男は僕を押さえつけて、あろうことかその指を僕の後ろの秘められた蕾に突っ込んできた。
「やっ、ま、待って、どこ触って……あっ、ちょっ……ぁんっ……あぅ……」
驚き慌てたのはほんの最初だけで、恐ろしいことに僕は男の手管にあっという間に翻弄され、あられもない声をあげ始めてしまった。
あんなところでどうしてと思うが、僕が躰の中を刺激されて感じてしまっているのは事実で、その証拠にさっき出したばかりで萎えていたはずの僕のモノはいつの間にかまた勃ち上がって雫をこぼし始めている。
気がつくと男は僕の中から指を抜いて、代わりに自分の股ぐらの凶悪なモノを僕の蕾に押し当てていた。
「ちょっ、待って!
そんなの、僕、無理!
壊れる!」
必死で止めようとしたのに、男はむしろ嬉々として、僕の中に入ってきた。
「ああっ……!」
思わず身構えたが、幸いなことに男が入ってきても僕のそこは壊れてしまうようなことはなかった。
それどころか、男の大きなモノをあっさりと根本まで受け入れ、そのうえ男のモノで中を擦られるたびに味わったことのないような快感が身体中に走る。
「あっ…あっ……いぃ……あんっ………」
すっかり男のモノの虜になった僕が、我も忘れて喘いでいると、ふいに男が動きを止めた。
「え……」
「ふふ、物足りなさそうな顔をしているね。
もっと欲しいかい?」
僕が男の言葉に何度も縦に首を振ると、男はにやりと笑った。
「だったら、私のことをこう呼んでごらん?
『背の君』と」
それはさっき僕が、姫だと思っていたこの男に呼ばせたのと同じ呼び方だった。
なんとなく本能的にそれを口にしてはいけないような気がして、僕は首を横に振ったが、男は許してくれなかった。
「呼ばないなら、このまま動かないよ?」
「えっ……やだ…」
「嫌だったら、呼んでごらん。
簡単なことだろう?」
「……背の君」
男にそそのかされて、僕はついにその言葉を口にしてしまった。
男は嬉しそうな笑顔になると、約束通りにまた僕の中で動き出した。
めちゃくちゃに中を擦られ突き上げられ、さらには勃ち上がって雫をこぼしているモノを握られて擦り上げられ、ついに僕はあられもない声をあげて達してしまった。
あまりの快感と衝撃で気が遠くなりながらも、男が僕の中で達したのを感じる。
そのまま眠気だか気絶だかで意識が遠のいていく僕を、男はそうはさせじと揺さぶり起こしてきた。
「寝かせはしないよ。
まだまだ夜は長いんだ。
もっと楽しもうじゃないか。
ねえ、背の君」
満面の笑みを浮かべる男から、僕は必死で逃げようとしたが、残念ながらそれは叶わなかった。
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目が覚めると、外はうっすら明るくなっていた。
慌てて飛び起きた僕は、節々とあらぬところの痛みにうめき声をあげる。
褥には僕の他には誰もいない。
一瞬、夢だったのか?と思ったが、体の痛みとどろどろに汚れた褥が、昨日の出来事が夢ではなかったことを物語っていた。
とにかく、あの男がいないうちにここから逃げ出さなくては、さもないと本当に壊されてしまうと思った僕は、しわくちゃの上に汚れた小袖を泣きそうになりながら着て、他の衣も出来る限り急いで着込むと、痛む体をかばいながら大急ぎで荒れ屋を出た。
夜が明け始めた道を家へと急ぎながら、僕は二度と噂を間に受けたりするまいと心に誓っていた。
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