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海斗ごめん

ちょっと! なんでこうなるの! しかも、橘内さん見てるし。 「槙さん!」 むぎゅーーと抱き締められる。 あっ、暑苦しい。 「気持ちいい。これなら、寝れる」 って。ちょっと! あと、背中に手を入れないで、くすぐったいから。 「槙さん!」 「一樹、だよ。一樹」 あんだけ海斗に念押されたのに。 ごめんなさい、ちゃんと守れなかった。 半泣き状態の僕に橘内さんが、 「寂しがりやの甘えん坊なんですよ一樹さんは。家庭環境が特殊で、愛情に飢えたまま大きくなったので。だから、幾つになっても、お子様なんです。まぁ、諦めて、抱き枕になってください」 て、そんなオチあり!? 「朝早いから、寝るぞ」 「槙さん・・・じゃなかった、一樹さん、まだ、八時前だよ!」 「いいの、いいの」 良くない! 心の叫びは、跡形もなく一樹さんの腕の中へ消えていった。 もう、と言いかけて、その穏やかな寝顔を見上げれば、何故か心がズキンっと疼き、やはり、彼をほっとけないと思う自分がいて、正直戸惑った。 海斗、ごめん。 一樹さんにひかれてはいけないのに、なんで、こんなにひかれるのか、気持ちが揺れ動くのかかーー。 訳がわからない。

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