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海斗ごめん

「海斗、ごめん、遅くなって」 藤さんの美容室で、元の自分に戻り、自宅に帰ると、玄関先で、仁王立ちの海斗と鉢合わせになった。かなり、怒ってる。 「すごく、仲良さそうに映ってたよ。テレビに」 「ごめんなさい」 「もしかして、夫婦の振りじゃなくて、本当の夫婦になった!?」 「どういう意味なの⁉って・・・い、痛い!」 海斗に、手首を握られ、そのまま、自分の部屋に。入るなり、鍵を閉められた。 「脱げよ、全部。あいつとやましい事してないんだったら・・・出来るよな⁉」 ベットに腰を下ろした海斗は、獰猛な獣のような眼差しを向けてきた。 いつも優しく、甘えてくる彼は、もうどこにもいない。 釦に手を掛け、シャツを脱ぎ、下着を脱いで・・・なんでだろう、汗が滝のように流れてくる。ズボンが、ベタベタ肌にまとわりついて、なかなか脱げない。 「・・・海斗⁉」 脇の下に、彼の手が差し入れられ、そのまま、抱き寄せられた。 「みっともないよな、ごめん」 「なんで、なんで」 腕の中の、彼の肩が小さく震えていて、戸惑った。もしかして、泣いてる⁉ 「寂しくて、寂しくて、死ぬかと思った。このまま、ナオが帰ってこなかったら、どうしよう、そればかり考えて、おかしくなりそうだった」 「海斗・・・ごめんね」 大袈裟だな、僕の家はここだもの。 そう言おうとしたけど、そんな雰囲気じゃなくて。ごめんを繰り返した。 「ナオ、しようよ」 ねだるように、甘えるように、下腹をくんくんして。 「え⁉何を⁉」 いまいち理解出来なくて、聞き返した。 「だから・・・エッチ」 海斗にまで、真剣な眼差しを向けられ。 ようやく、意味の意味を理解し、顔から火が出そうになった。 「エ、エッチって⁉ぼ、僕、男だよ」 出来るわけないでしょう。 ぶんぶんと頭を振った。

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