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初めての喧嘩と仲直り

無性に海斗の声が聞きたくなり、気付けば電話してた。 姉さんに、のぞみちゃんという、四才の女の子がいた事。僕や、その子を守るため、一樹さんのお父さんが手を尽くしてくれた事。 そして、のぞみちゃんを引き取りたいという、僕の決意。 海斗は、何も言わず、黙って聞いてくれた。 『ナオが決めた事なら、反対はしない。父さんたちには、俺から・・・ちょっと‼』 「海斗、どうしたの⁉何か、あった⁉」 『ナオくん』 この声の主は、おばさんだ。何か、ほっとする。 『元気そうね。おばさん、安心したわ。さっき、芳樹さんがわざわざみえられてね。のぞみちゃんの事、話してくれたの。でね、ナオくんが、成人になるまで、おばさんたちの里子として引き取ることにしたから。だからね、ちゃんと、一樹さんと話し合うのよ。子育ては、一人では出来ないからね』 「ありがとう、おばさん」 電話の向こう側が、なんか、賑やかだ。 海斗が、電話返せーー‼って、わめいてる。 『ナオか、元気か⁉』 今度は、おじさんだ。 「うん、お店手伝えなくてごめんね」 『いや、大丈夫だ。それより、ナオも、体に気を付けてな。こら、海斗‼』 『ナオは、俺の‼』 何か、楽しそう。 『ナオ、あのさぁ』 「息切れてるけど、大丈夫⁉」 『邪魔されたくないから、自分の部屋に向かってる』 バタンと、ドアが閉まる音。 ちゃんと、辿り着いたんだ。 『ナオ不足で、半分死んでる』 「なに、それ」 『言わなくても分かるだろ⁉ナオが欲しい・・・夜になると、今頃一樹とエッチしてるんだろうなって・・・いっぱい、焼きもち妬いてる』 「海斗ごめんね」 ただ、謝るしか出来なかった。 それから、一時間。延々と、長電話してしまった。 『今度、テレフォンセックスしてみよう』 最後にそう言われ、思わず、携帯を落としそうになった。

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