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守り守られ生きる未来
「ナオ、ただ今~。福光先生の奥様から、ナオにって、お弁当・・・」
しかも、このタイミングで、一樹さん帰ってくるし。
もう、最悪。
「ずるい、海斗‼」
手にしていた紙袋を、その場に置いて、一樹さん、ネクタイを緩めながら、ベットに上がってきた。
「俺だって、跡つけた事ないのに‼」
「じゃあ、つければ!?左側、空いてるだろ⁉」
下着を脱がせていた海斗の手が止まった。
チュッ、チュッと、下腹や、お臍の辺りに舌を這わせて、軽く吸いはじめた。
「だめ、くすぐったいから‼」
身を捩ったけど、彼の手に腰をがっしり掴まれていて、身動きが取れない。
「しないなら、もう片方も、俺の跡つけるよ」
「それだけは、ヤダ‼」
一樹さん、海斗にむっとしながらも、僕には、優しく微笑んでくれて。口付けを何度もしてくれて、「痛いかも・・・ごめんね」って、律儀にも謝ってくれた。
海斗がしたように、チュパチュパと乳輪を口に含み、音を立てて強く吸い上げられ、
「ーーー!!」
めくるめく快感に、身を震わせ、また枕にしがみつくハメに。
「海斗、ご飯食べない⁉」
「はぁ⁉この、状況で」
「明日の打ち合わせで、すぐ、戻らないと。ナオと海斗といちゃつきたいけど・・・我慢する」
一樹さん、知らない間に成長した⁉
なんて、感心しながら、服を着ようとしたら、だめって、二人に。
一樹さんが、お弁当を取りに行き、このまま、ここで食べることに。四つに仕切られたお弁当箱には、色とりどりの可愛らしい手まり寿司や、ステーキ、煮物、天婦羅などが、ぎゅうぎゅう詰めにしてあった。
二つしかないから、三人で、仲良く分けて食べた。
というか、正確には二人に食べさせてもらった。最初箸だったけど、最後は口移しになってて・・・どんどん、エスカレートしていく二人。
食後のデザートに、アイスを持ってきた一樹さん。予想通りに、胸元にわざと溢して・・・。
「二人共‼だめ‼」
美味しそうに、それをペロペロと舐めはじめる二人。至福の一時みたいに、うっとりしてた。
一樹さん、時間がないって言ってはずなのに、上着まで脱きはじめて・・・。
結局、二人に最後の最後まで、美味しく食べられるはめになり、散々、喘ぎ泣く事に。
「じゃあ、行ってくる」一樹さん、すっきりして、また、出掛けていった。海斗と、一緒にシャワーを浴び、彼が帰えるギリギリの時間まで、ベットの上で沢山いちゃついて。
泣かないって、決めていたのに、やっぱり、見送るとき大泣きしてしまって、海斗や、彼を駅まで届けることになった川木さんに、えらい迷惑を掛けてしまった。
そして、迎えた記者会見当日ーー。
会場となる福光邸を、一樹さんと、橘内さん、鏡さんの四人で訪れた。
高い塀に囲まれ、何十人もの警備員を配し、中で働いている人も大勢で。吃驚しながら、玄関に案内され、中に入ると、築百年の厳かな雰囲気を漂わせる、純和風の造りになっていた。
「一樹さん、すごいね」
「そうだね。福光家は、もともと大名主で、戦後の農地改革で、一時は没落の一途を辿ったんだ。それを助け、政治家へ転向させたのが、うちの先祖。そこから長い付き合いが始まった」
一樹さんと話しをしていると、福光さんの奥様に声を掛けられた。
「ナオさん、こんにちは。本当に夫婦仲が宜しいのね」
「えっと、昨日は、お弁当ご馳走さまでした。あと、ランチ会でも、沢山お世話になりました」
「あら、わざわざ、ありがとう。ナオさん、主人を紹介するわ。さぁ、こっちよ」
奥様に手を引かれ、一樹さんと一緒に応接間へと向かった。
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