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みんな ありがとう
「今、ティッシュ取るから待っ・・・ナ、ナオ‼」
大好きな彼が吐き出した精。いとおしくて、ぺろぺろと舐めてみた。
少し苦いかな。でも、一樹さんのだもの。
美味しい。
「か、一樹さん‼」
シャツをたくし上げ、胸の小さな突起にしゃぶりついてきた。
背中にあった手は、スボンの中に滑り込んできて、後ろの蕾を探し始めた。
「だめ、一樹さん。鍵かかってないんだよ。皆さん、いるのに・・・っぁ・・・あっ‼」
突起を舌先に包まれ、ジュルル~と乳輪を強く吸われ、体が、ビクビクと痙攣した。
「煽ったナオがいけないんだよ。我慢するつもりだったのに・・・あった、ナオの・・・もうひくひくしてる・・・可愛い・・・前はどうかな」
もう片方の手も、スボンの中に入れる一樹さ
ん。
「だめ、触っちゃ‼ゃあ・・・ん‼」
じかに握られ、思わず声を上げ、彼の首にしがみついた。
「もう、濡れてる・・・ナオ、いいよね⁉」
体がじんじんと、痛いくらい疼いてて、早く、彼が欲しくて、頷くと、ゆっくりと僕の小さな陰茎を扱き始めた。
「気持ち・・・いい!?」
「うん」
キスをねだると、彼、いっぱい口付けをしてくれた。
トントン
遠慮しがちにノックの音がして、慌てて、一樹さんの膝の上から下りた。
「兄さん、佐藤先生と、奥様の真弓さんと、川木さんら、大学の同期の皆さんらみえられました」
「えぇ‼なんで‼」
ドアに向かって、一樹さん叫んでた。
聞いてないよ、ぶつぶつ一人言言いながら。
「あれだけ、大々的に放送したんです。諦めてください。あと、義兄さん・・・」
まだ、そう呼ばれるの慣れてないから、返事も何だかぎごちなくて。
「私と買い出しに付き合っていただけますか⁉」
「あっ、は、はい」
急いで、身仕度を整えると、一樹さんも、溜め息をつきながらスボンを直していた。
その彼に、自分から、抱き付いた。正面は、ちょっと恥ずかしいから、懸命に背伸びして、背中にギュッーーと。
「ナオ⁉」
彼、突然の事に戸惑っていた。
「ごめんね、一樹さんに甘えたかったのに」
「大丈夫だよ。気にしないで」
一樹さんに、いってらっしゃいのキスをしてもらい、翔さんと、警備員さん二人を連れて、いつものスーパーへ向かった。
そしたら、そこでも熱烈な握手攻めにあってしまい・・・。
メディアの力はスゴイ‼って、身を持って知ることになった。
自宅に戻ると、すでに、酒盛りが始まっていて、とても賑やかになっていた。
テーブルに男女五人、ソファーの所に、一樹さんや、川木さん、真弓さんと、もう一人。ショートカットがよく似合うボーイシュな雰囲気の女性。真弓さんに寄り添っているから、彼女が佐藤さんかな⁉
「ナオくん、お邪魔してます。彼女が、私のパートナーの佐藤かずさ」
真弓さんが、女性と一緒に立ち上がって挨拶してくれて、女性を紹介してくれた。
「佐藤です。初めまして」
「皆木ナオです」
「あの、甘えん坊の一樹を旦那さんに貰ってくれるなんて・・・貴方、神様だわ」
「いぇ、そんな・・・」
一樹さんを追い出して、代わりに、僕をそこに座らせると、真弓さんら、同期の方々が、次から次に、いろんな事を質問してきて、答えるのが大変だった。
一樹さんや、翔さん、鏡さんは、苦笑いしながらも、あたふたする僕を、温かく見守ってくれていた。
みんな、ありがとう。
僕ね、今、すごく幸せ・・・。
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