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「オレはアンタと一緒にいたい。そのための代償なら、代償ですらない。アンタは違うの?」
「……ご自慢のキレる頭で考えろ。まるきり同じ、とは言えなくても、似通った考えを持ってなきゃ、お前の提案に振った首は横だろ」
「えへへー」
「情けねぇ顔」
寒気の正体を探して周囲を見回すのはやめて、オレだけを見て、彼は呆れたように笑う。
その表情、今紡がれたばかりの言葉に、頬が緩まない方がおかしい。情けない顔にだってなるって。
「じゃあ、始めるっすよ? ……本当にいいの?」
「お前こそ。考え直すなら今だぜ」
「そんな事、ありえないっす! うん、2人の間に赤い糸をしっかり結ぼう! 元から存在してるとは思うんすけど、人には見えないからヤジが厄介だし。切れる事が無い、永遠の愛をきっちり小指に結ぶんす!」
「永遠の愛を誓います、ってか?」
「わざわざ誓うまでもなく、オレ達の愛は永遠なんすけどねぇ」
オレと彼が、それぞれ手の中に握り締める無機質なソレが、熱を発する事は、勿論、有り得ない。
でも手の中に握るソレから、オレは確かに、熱を感じていた。
どこか甘くて、何もかもを焦がす様な、そんな熱を。
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