143 / 198
弥生(18)
「それで、付き合 うとると思ったん?」
翼は頷いて、そのまま顔を上げることが出来ない。
頭の上で、翔太が小さく息を吐く。
「確かにあの時、由美から告白されて、あいつの手作りのマフラーを巻いて帰ったけど……」
──やっぱり……。
あの時見た光景は、見間違いなんかじゃなかった。という事は、当然翔太と相田は、あの時から付き合っていたのだろう。
そう思うと、やはり翼は、胸の奥に痛みを覚える。
どんなに短い期間でも、その事実を知るのと知らないとでは、大きな違いがあった。
「でも、それも家に帰る途中まで。由美は駅方面へ行くから、俺の家の手前の分かれ道でマフラーは返したで?」
「は?……それって、どういう……」
翼は驚いて、思わず顔を上げた。翔太の言っている意味が分からなかった。
翔太は、頭を掻きながら、困ったような表情を浮かべている。
「あの時、下駄箱の前で告白されたけど、すぐ断ったんや……」
そこまで言って、翔太はその先を言いにくそうに口を噤む。
「え? なんで?」と、翼が訊き返すと、翔太の頬が赤く染まった。
「そんなん、他に好きなヤツがいるからに決まっとーやろ!」
今度は翼の方が、顔が熱くなる。
──でも、それならどうして?
「ほな、なんでマフラーなんかしたんや?」
「由美が……帰り道だけしてくれたら、それで気が済むって言 うたんや……だから……それだけでええんやったらと思ってしもた」
「あ……アホやろ、翔太……」
「……アホで悪かったな。でも、それで翼が誤解しとったんやったら謝る……」
──停車中の──分発、のぞみ──号東京行き、間も無く発車です。お見送りのお客様はホームからお願いいたします。
アナウンスがホームに響く中、「ごめんな」と、言葉を続けた翔太は、下に置いてあった荷物を肩に掛けた。新幹線は、あと2分くらいで出発してしまう。
「翔太!」
新幹線の入り口から車内に足を踏み入れた翔太の背中に、翼は慌てて声を掛けた。
「これっ、ありがとうな。ホンマはめちゃ嬉しかってんで」
金色のメタルボタン。これを卒業式の後に、みんなの前で相田に渡すのを断った時、翔太はなんて言ったんだろう。
「知ってる」
翼の言葉に振り向いた翔太は、満面の笑みを浮かべてそう答えた。
ともだちにシェアしよう!
萌えが致死量を超えたけど生きてました! ずーちゃさんの言うとおりだった! 翼くん、ボタン嬉しかったって素直に言えてよかったね。 それに対する翔太くんの返しが「知ってる」 って、もう!もう!(*´Д`)
あーん、ルチーノさん生きてた!!(*^▽^*) 翼、素直に言えて良かったです。 二人の間にもう、わだかまりは、これでない…はず…←💦 翔太の返し、気に入ってもらえて嬉しいです💕💕
おばさんはもう萌え死にましたΣ(●゚ё゚)… この甘酸っぱさは足腰を立たなくするヤバイものです (;(;(//̀Д/́/););) わたし心の中で『キース、キース』と騒いでいましたよ。 翔太君、翼君にキスしちゃってよ〜(´○`*)あーん 相田さん、何度も邪魔とか思ってごめんね。 フラれていたのね( ̄▽ ̄)ニヤリッ
足腰…(*´Д`)ハァハァ大丈夫?まだ倒れちゃダメよ(*´Д`)ハァハァ じみぃさんの「キース、キース」に、思わず声出して笑ってしまった(笑) 相田さん、バレンタインの日に実はふられてたんですね。 まぁ、それもアオハルの1ページさ…これからいっぱい出会いはあるさ…相田さん(´Д`)
な、なんと……(*´Д`)ハァハァ💕 それは翼くんも誤解するなぁ…… でも萌え萌えすぎてまた全リアクションボタン連打してしもた……(*´Д`)ハァハァ💕 市川「あー、なるほど。そういうことだったのね。でももっといい断り方があったような気がするけどな」 夏樹「……どういう断り方ですか。いいんですよ、これがアオハルなんですから」 市川「いや、やっぱり翔太には補習授業をしてやるべきだ! 新幹線乗る前に体育館に来なさい!」 夏樹「翔太さん、無視して新幹線乗ってください」
そうよねー。あの時の二人を見てしまったら誤解するのも無理はないかな。 あぁぁん、もうホントいつもリアクション連打ありがとう(*´Д`)ハァハァ 先生ったら、どうしても翔太に補習授業したいのね? 翔太はスポーツマンだし、きっと先生と相性いいと思……(*´Д`)ハァハァいや、、なんでもありません💦