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Growing up(15)*

「ええから……、ちょっと我慢せぇ」 「だって……ッ」  少し余裕のなくなってきた声が返ってきた次の瞬間、文句を言おうとする翼の唇を翔太が強引にキスで塞ぐ。  弱々しく抵抗する翼に構わず、翔太は、今度は下から上へと脇腹に手を滑らせた。 「んぅ……ふ……ッ」  翼は堪らず身体を捩り、重ねた唇の隙間からくぐもった声を零した。気持ちいいのか、くすぐったいのか、どちらともつかない狭間で、翼は僅かに眉根を寄せる。  キスで攻めながら、目を開けてじっと翼を見つめていた翔太は、その表情に余計に煽られたようだった。  Tシャツの上から、自分よりもはるかに華奢な身体をまさぐり、その指先が胸の小さな粒を捉えた。  遠慮がちにその指の腹で、小さく膨らんだ粒を優しく転がすように触れられて、翼の身体がビクンと跳ねる。  翼の手は、翔太の手を止めようと掴んではいるが、その抵抗はあまりにも弱い。それは、この行為を本当に止めてほしいと思っている訳ではないからだ。  自分の全てを、翔太に触れられたいという願望はある。ただ、この、気持ちいいのか、くすぐったいのか、分からない微妙な感覚がなんとなく怖い。 「──っは……」  唇が僅かに離れた瞬間に吐き出した自分の息が、やけに熱くて、至近距離から頬にかかる翔太の息も熱を帯びていた。  そっと目を開けると、じっと見つめてくる翔太の瞳と視線が絡む。  その瞳も吐き出した息と同じくらい熱っぽく、ゆらり……と、情欲の光が揺らめくのを感じた。次の瞬間、Tシャツの上からゆるゆると胸の頂に触れていた指先が、突然キュッとそれを摘み上げる。 「……翔……あっ……」  チリッとした痛みに似た感覚が、そこから頭のてっぺんへ突き抜けて、思わず翼は翔太の着ているTシャツの裾をギュッと握りしめた。 「ここ……気持ちええん?」 「……っ、そんなん……分からへん」  ──そんな事を訊かれたら、なんか恥ずかしい。  思わず俯いてしまったが、顎を翔太の指が掬い上げ、すぐに上を向かされた。 「……もっと触ってもええ?」 「……いちいち、そんなん訊か……っぁ……」  翼が、答えを言い終わるよりも早く、翔太の手はTシャツを捲り上げ、直接素肌に触れてくる。  翼は、どちらかと言えば骨格は小さい方だが、無駄な肉のついていない、しなやかで程よく筋肉質な身体だ。  薄い腹に手を這わせると、硬い腹筋がピクピクと反応する。翔太はそのまま上へと指先で肌をなぞり、さっきTシャツの上から散々弄った胸の頂に触れる。 「ここ、硬くなっとぉな」 「うるさっ……あっ、んっ」  ──いちいち、そんなこと報告せんでええ!  そう続けたかった翼の言葉は、突然身を屈めた翔太の唇が、硬くなった胸の尖りに触れて、敢えなく消えてしまった。

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