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Growing up(24)*
手を繋いでリビングを出て、翔太の部屋のドアを開けると、カラフルな星空のような夜景が、正面の青いブラインドの隙間の向こうで、キラキラと煌めいているのが、一番最初に目に入った。
外から射し込む薄い明かりが、ぼんやりと部屋を照らしている。
久しぶりに見る翔太の部屋は、昔よりも随分すっきりと綺麗に整頓されていた。
一歩中に入ると、ほんのりと翔太の匂いを感じる。そのことに、翼は何故か安堵した。
「……電気、点けんとって……」
部屋の照明を点けようとする翔太の手を引っ張って、それを止める。
「なんでや……暗いやろ?」
「あんまり見えん方が、ええもん」
翼の言葉に、翔太は返事を返さずに、クスッと小さく笑った。
薄暗い部屋の中、翔太が先に進んで、ベッドに腰を降ろすと、繋いでいた手を軽く引き寄せられて、二人分の体重でスプリングが揺れた。
「翼……」
細い顎を掬い上げ、翔太は、翼の唇を覆い隠すようにキスを仕掛けた。
薄く開いた唇の隙間へ舌を滑り込ませると、翼がそれを迎え入れて応える。
まだ、ぎこちないけれど、お互いの咥内を探り求め、新たな熱を生んでいく。
「……ん……っ、ふっ……」
自然に零れてしまう、甘い声が恥ずかしい。
リビングのテレビも消してきた。この家には翔太と翼の二人しかいない。静か過ぎる部屋の中に、お互いの唾液の絡まる音が響き始めて、それが酷く淫靡に思えてくる。
キスを深めながら、翔太が翼の着ているパーカーを脱がせて、シャツのボタンを、もどかしげに外していく。
翼は戸惑いながらも、翔太にされるがままに身を任せていた。
上半身の衣類を全て剥ぎ取ると、翔太は自分もTシャツを脱ぎ捨てる。
鍛えられた身体を目の前にして、翼の心拍数は、更に上がる。
ずっとその逞しい腕や胸に腹筋に、触れてみたいと思っていた。抱かれたいと思っていた。
そっとその胸板に触れた手を翔太が掴み、ゆっくりと翼の身体を押し倒して、そのまま覆い被さるようにキスをする。
額に、頬に、こめかみに、耳に、唇は段々と下へ移動していく。
翔太は、まるで壊れ物を扱うように翼の身体に触れてくる。
「は、ぁっ……」
首筋に舌が這わされると、全身がゾクゾクと粟立って、翼は思わず鼻から抜けるような甘い吐息を漏らした。
〝気持ちいいのか、くすぐったいのか、どちらともつかない狭間〟
だけど、その感覚が確かに快感を運んでくることを、翼はもう知っていた。
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