172 / 198

Growing up(28)*

 腰に当たっている翔太の熱は、さっき達した筈なのに、まだ硬度を保っていて、それがいっそう翼の身体を熱くする。  耳の中に舌を挿し込まれ、熱い舌先が蠢いて、湿った水音が鼓膜を覆う。熱い息と共に、「……翼……」と、低い声が注がれると、それだけでゾクゾクと背中が粟立っていく。   「……ん……っ……」  翼の唇からは、返事の代わりに甘い吐息が漏れた。  そうしながら、翔太の手は首筋から胸を伝い、腰のくびれをなぞり、下へと降りていく。  太腿に到達した手が、下から上と撫で上げて、そのまま脚を左右に大きく開かされた。 「……っ、や……」  その恥ずかしい体勢に、翼は思わず脚を閉じようとするが、間に翔太の身体が割り入っていて、それを許してくれない。  弱く抵抗する翼に伸し掛かり、身体の下に閉じ込めて、脚の付け根をなぞっていた翔太の手が双珠の向こうへ滑り込む。そして、その奥に隠れている秘所を探り始めた。 「……っ、あっ……」  指先がそこを撫でると、翼は思わず高い声をあげ、翔太の身体の下で、びくんと腰を跳ねさせる。  普通なら、他人に触れられる事のない場所だ。  すごく恥ずかしいのに──入り口をちょっと触られただけなのに。 〝くすぐったいのに、ちょっと気持ちいい〟と、思ってしまった。 「俺が、挿れて……ええんやんな?」  耳元で囁く翔太の声に、乱れた呼気が混ざっている。 「……え?」 「翼のここに……俺のを……」  そう言って翔太は、熱に濡れた硬い切っ先を、閉ざされた蕾にズンっと押し付けてくる。 「──ひぃ……っん!」  悲鳴にも似た声と共に、翼の気持ちとは裏腹に、腰が勝手に逃げを打ってしまう。 「逃げんな……」  腰に回った手に、上へとずり上がった身体を引き戻されて、翔太が体重を掛けてきた。  啄むようなキスをくれて、「怖い?」と訊いてくる。 「……ちょっとだけ……」 「初めてやったら誰でも怖いんちゃう……? 俺も同じや……」 (──え?) 「それとも……翼が俺ん中に入る?」 (──え? え?)  その案は、考えた事もなかった。翔太の逞しい腕の中にいる自分を、翼はいつも妄想していたのだから。 「……オレの中に、挿れて……翔太の……」  翼が最後まで言い終わらないうちに、翔太は小さく舌打ちをして、噛み付くように唇を重ねた。 「……加減、出来んで。痛い()うても知らんからなっ」  吐き捨てるように言い放ち、翔太は翼の肌にキスを落としながら、時々きつく吸い上げて、その身体を下っていく。 (……オレ、なんか怒らせるような事()うた?)  そんな心配は、翔太の手に脚を大きく開かされて持ち上げられて、どこかに吹っ飛んでしまった。  双丘を割り広げられて、奥に隠れていた窄まりが空気に晒されて…… 「──ッ、ひぁぁっ!」  熱い舌先が、円を描くようにそこに這わされて、翼は今度こそ悲鳴を上げながら、全身を大きく跳ねさせた。

ともだちにシェアしよう!