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Growing up(31)*
さっき、ローションのボトルと一緒に、引き出しから取り出したパッケージに、翔太が手を伸ばす。
小さな袋を裂き破り、中から取り出したゴムを、翼の目の前で自身の猛りに被せていく。
どことなく不慣れな手つき。だけど着実に根元まで巻き下ろすと、ぴったりと張り付いて今にも弾けそうに上を向くそれに、翼の喉が上下に動いた。
自ら膝裏を抱えて入りやすいように、おずおずと脚を開くと、熱にヒクつく窄まりに、翔太が先端を擦り付けてくる。
「このままの姿勢で、ええか?」
「え?」
「後ろからの方が、負担が少ないってネットで見かけてんけど……」
そんな事を調べてくれていたのか……。そう思うと、結構嬉しい。
「……このままで、ええよ。後ろやったら、翔太の顔が見えへんやん……」
そう答えて視線を合わせると、翔太の顔が、真っ赤になった。
それと同時に、翼の双丘を割り広げ、グイッと腰を押し付けた。
侵入を拒むような、ほんの少しの抵抗を感じたが、それでもゆっくりと翔太は先端を沈めていく。
「──っ、ううっ」
その太さと硬さに、翼は思わず息を詰めてしまう。
「息、止めん、な……」
はぁっと、翔太の熱い吐息が落ちてきた。
身体が上に擦れないように、翔太の大きな手で腰を固定されて、翼は翔太の首にしがみつく。
そうすると、距離が近くなり、お互いの呼気が肌にかかった。
「──あっ、あぁっ、」
ローションの滑りを借りて、先端が潜り込むと、思わず高い声が上がる。
「……っぅ」
翔太が、微かに呻き声を零した。
翼の中は、思ってた以上に狭く、入り口がぐいぐいと締め付けてくる。
「……もっと力抜け……」
ポタリと、翔太の汗が翼の頬に落ちてきた。
「……む、無理……っ」
すごい圧迫感に、どうやって力を抜けばいいのか分からなくなってしまう。
その苦しさとは別に、体内の熱が更に上がり、全身から汗が噴き出した。
「……翼……」
熱い息を零しながら、翔太がふわりと唇を重ねてくる。
「……お前が……好きや……」
「……っ、」
耳元で囁くバリトンが身体を伝い、翼の腰の奥を熱く疼かせた。
──オレも、翔太が好き。
そう返そうとした瞬間に、翔太が腰を押し進め、吐き出した熱い息と共に言葉は消えてしまう。
「あ……っ、あっ」
細い路を押し広げるように、翔太の熱が翼の中を満たしていく。
「辛くない?」
「……大丈夫……」
翼の返事を訊いた途端、翔太は更に体重をかけて、翼の身体を二つ折りにした体勢で、腰を押し進め、再奥まで貫いた。
「──あぁーっ!」
そこに辿り着くまでは、少し苦しかったけれど、それでも……好きな人とひとつになれるという、幸福感の方が大きかった。
キスで感じた時よりも、もっと深く翔太の心を近くに感じることができる。
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