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ようこそ、異世界へ②

「やっと、お目覚めかい……優太くん?」 「知花……っ……無事でよかっ……」 学校にいた頃と変わらないニコニコと愉快そうに笑いかける知花の声を聞いた時、少しだけ安堵した僕だったが、彼のある異変を見つけた途端に―――そんな安堵など完全に吹っ飛んでしまう。 「そ、想太…………それに、誠までっ……!?」 「ふふ、こうして見てみると―――二人共、可愛いワンちゃんみたいだよね。想太くんと違って無愛想だった誠なんて……特に……ねえ、そう思わない?」 知花が両手から伸びる赤い鎖のような物で、グッタリと力無く気を失っている想太と誠の体を縛りつけ―――捕らえている光景が僕の目に広がり込んできて、またしても不安と困惑と恐怖が襲ってくる。 そして、薄暗い不気味な旧校舎の美術室に向かっている時のようにガクガクと足を震わせている僕の怯える様子に気付いた彼はニコニコと愉快げに微笑むのを崩さずに――まるで僕を嘲笑うかのように、こう言うのだ。 「あはは……今度こそ、オレが抱き締めて慰めてあげようか……邪魔な誠も今はこんな状況だしね……まあ、それもこれも―――全てオレが仕組んだ事……なんだけどね」 「な……っ…………!?」 その言葉を、目の前にいる知花の口から聞いた時―――ぐらり、と目眩がして思わず地面に倒れ込みそうになった僕だが何とかそれを阻止しつつ、目の前にいる悪魔のように冷たい男をギロリと睨み付けるのだった。

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