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ゴブリンとオークの村②
『χЙψψЛЛπЙψ?』
「え、えっと…………」
その《ゴブリン》の話しかけてくる言葉が分からないのもそうだが、あまりにも僕の頭の中で混乱してしまう程の複数の疑問がどんどんと浮かんでくるため、困惑しきってしまい、おそらく悪意など微塵も感じさせない笑顔を浮かべながら橙色の木の実らしき物を僕に差し出してくる《ゴブリン》に対して身を固まらせてしまう事しか出来ないのだ。
―――僕に差し出してくる橙色の木の実らしき物は一体何なのか?
―――何故、前に過ごしていた世界で描かれていた本やアニメの中のように人間である僕を襲ってくる気配がないのか?
―――何故、普通のイメージであれば敵である筈の人間である僕に対して笑顔を浮かべてくるのか?
―――想太と誠の姿は見ていないか?
など、色々な疑問がグチャグチャと頭の中で混じり合うのだが―――それを目の前にいて橙色の木の実らしき物を差し出してくる《ゴブリン》に対して聞く勇気が―――どうしても出ない。そもそも、それを聞いた所で―――理解してくれるのだろうか?
などと、僕が散々考え込んで頭を悩ませていた時―――、
「おい、何をボーッとしてんだよ?テメエは相変わらずマヌケ面してんだな―――ドンクサ優太……」
「…………っ……あ、青木……な、何でこんな所にっ……!?」
僕にとって―――大の苦手な存在であり、しばらくの間――聞いていなかった元クラスメイト《青木 星夜》の声が聞こえてきたのだ。
青木は前にいた世界でのクラスメイトだったが、ある日突然行方不明となり―――まるで最初からいなかったかのように他のクラスメイトから存在を忘れ去られてしまっていたのだが、僕がコイツを忘れていないのには――ある特別な理由があった。
―――この《青木 星夜》という男から事あるごとに馬鹿にされ続け、僕はこの青木という男が世界で一番大嫌いだったのだ。
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