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再会②
「想太……それに、誠も……よかった……無事でっ……本当によかった!!」
双子の兄である想太だけでなく、本当ならば誠にも抱きつきたい所だったが――流石にそれは躊躇してしまう。
「―――優太の事、ボクよりも誠の方が心配してたんだから……ねえ、誠?」
「べ、別に……心配なんてしてねえよ……想太、お前の方が―――心配してただろ?」
プイッと顔を背けながら、ぶっきらぼうに言う誠を見て思わずクスッと笑ってしまう僕。すると、ふいに側にいる青木の方から視線を感じて何気なくソチラへと目線を向けた。
「…………」
「―――何?」
何故かは知らないけれど、無言で此方を鋭い目付きで睨み付けてくる青木とバッチリ目が合ってしまい僕は怪訝そうに彼の顔を見つめた。
「―――お前ら、もしかして……っ……」
青木が怪訝そうな表情を浮かべる僕に対して何かを言おうとした時、急にガチャッと音をたてて扉が開いた。
「お、何だ……お前達、やっと再会できたのか?青木なんて―――優太、お前の事をオロオロしながら心配していたんだぞ?」
「なっ…………うっせえ、余計なこと言うんじゃねえよ……大体、サカセン……てめえが優太をコイツらの元に連れて来いって命令しやがったんだろうが!!」
扉が開いた先には―――僕らにとって懐かしい存在である《サカセンこと坂本先生》が立っていたのだ。僕らが前にいたダイイチキュウの学校の副担任で―――青木と同様に、いつの間にか姿だけでなくその存在が消え去っていた人物だった。
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