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襲撃①

◇◇◇◇ ―――誠と青木が待っている筈の藁の家に戻ってきた僕と想太は、おそらく寝ていると思われる《ゴブリン達》や《オーク達》を起こさないように、慎重な足取りで部屋へと戻っていく。 「優太、僕―――青木達にお礼してくるから、先に誠がいる部屋に戻ってて。多分、あそこの灯りがついてる場所にいると思うから―――。」 「想太だけで……平気?」 「大丈夫、大丈夫……お礼を言いにいくだけだし―――それに、この機会に誠に告白しちゃいなよ……なんちゃって。まあ、とりあえず先に戻ってて!!」 そう言って想太は―――灯りがついてる場所へと向かってしまったので、仕方なく僕は一人で誠が待っている部屋へと向かって歩いて行くのだった。 ◇◇◇◇ 「―――た、ただ今……誠、まだ起きてる?」 「―――ああ。想太と……仲直りできたのか?」 僕が部屋へと戻ると―――誠が一人で床へ布団を敷いていた所だった。もしかして、僕が帰ってくるまで―――ずっと、待っていてくれたのだろうか。 『この機会に―――誠に告白しちゃいなよ……』 先程の想太の言葉を思い出してしまい、ドキッとする僕だったが幸いにも熱心に布団を敷いている誠が気付いた様子はない。 しかし、想太は冗談のつもりだったのかもしれないが―――確かに、今までずっと抱いていた誠へ対する恋心を告げるには――正に今が絶好のチャンスなのだ。 「ま、誠……誠……あ、あの……僕―――ずっと言いたかった事があるんだけど……聞いて貰ってもいいかな?」 「―――何だ?」 「あ、あの……あのね……僕は誠の事が……す、す……す……き…………っ……」 と、僕が真っ赤に頬を染めながらも勇気を振り絞って己の誠に対する想いを告白しようと口を開いた時―――、 「ったく……俺様を無視して……イチャイチャしてんじゃねえよ―――まあ、そんな事はどうでもいい……マコト、それにマコトの恋人くん―――悪いな、少し痛い目を見て貰うぜっ!?」 何処かから―――低い男の声が聞こえてきたのだ。 僕と―――いつもは冷静沈着な誠でさえも困惑したに違いない。 何故なら、その低い声は―――青木のものでもなく、もちろん想太のものでもなく――坂本先生のものではない――僕らには聞き覚えのない正体不明の謎の男が発する声だったからだ。

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