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第二王子が待つ王宮へ①

◇◇◇◇ ミストというエルフが唱えた瞬間移動魔法とやらで、僕らはすぐに《王宮》に着くことが出来た。 そして、これでもかというくらいに大きくて威圧感のある石造りの建物を目の当たりにした僕と誠は、このような異常事態とはいえ――思わず呆気にとられてしまう。 「―――お疲れ様です!!」 「第二王子のシリカ様は、《黄金鳥の間》にてお待ちです―――くれぐれも、お気をつけ下さいませ!!」 立派な石造りの建物を目の当たりにして呆気にとられたままの僕らを怪訝そうな様子で見つめつつも、ふいに二人の護衛官らしき男達が3人のエルフに対して深々と敬礼してから言ってきた。その敬礼の仕方からして―――おそらくは《王宮》の護衛官なのだろう、と勝手に思ったのだが―――二人の内、くれぐれもお気をつけ下さいと忠告してきた男に対して何となく違和感を抱いてしまう。 しかし、ミラージュの紋章らしきものが刺繍された大きな紫色の帽子を被っているせいで男の表情が見えないため―――僕はその違和感を気にしつつも、そのまま誠やミスト達の後に続いて第二王子とやらが待っている《黄金鳥の間》へと足を向かわせるのだった。

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