31 / 713

第二王子が待つ王宮へ②

◇◇◇◇ 「それで―――君達エルフは、何でシリカが望んだ通りの事をしてくれないの?シリカは弱い者達を根絶やしにしろって……命令したよね?それなのに―――どうして、このニンゲン達が此処に当然のようにいるわけ?」 赤い絨毯が敷かれた長い廊下を暫く歩き続け―――やがて、《黄金鳥の間》とやらに連れて来られた僕らは、入った途端に豪華絢爛できらびやかに光り輝く黄金の玉座に足を組みながら偉そうな口調で言い放ってきたミラージュの第二王子で――かつ王位継承者のシリカという子供の姿をマジマジと見つめる。 ―――その生意気っぷりが滲み出ている幼い子供らしい顔立ち。 ―――その子供らしい見た目に反して頭には、色とりどりの大きな宝石がついた金色の王冠を被っている。 ―――その銀髪のオカッパ頭に金色の豪華な王冠がよく映える。少し黄色がかったレースがふんだんにあしらわれた濃い紫色の服が浮いてしまうほどに、その銀髪は美しい。 「第二王子殿―――申し訳ありません。ですが―――、この者達を連れてきたのは――全てナギが決めた事です……それ故、許して頂けないでしょうか?」 「―――ナギが!?」 そのサンの言葉を聞いた第二王子こと――シリカは、少しだけ躊躇した表情を浮かべていたが、頭を下げている僕らをジッと見つめてから―――何かを決心したように口を開く。 「ダメッ……シリカは怒ったんだもん―――シリカの言う事を聞いてくれない君達に怒ったの―――だから……えっと……何だっけ……ああ、レンタイセキニン……の刑に処する。み~んな、地下牢獄行きね!!」 ―――パチンッ!! と、その第二王子ことシリカが指を鳴らした途端に後ろで構えていた王宮の兵士らしき人間達が容赦なく僕らを捉え―――そのまま為す術なく無理やり王宮の地下にある牢獄へと誠達だけでなく3人のエルフ共々、押し込まれてしまうのだった。

ともだちにシェアしよう!