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ティーナの酒場を目指して僕ら一行は歩く①

◇◇◇◇ 王宮に備蓄してある食料や薬草などの必需品をシンから渡された後、僕らは王宮を出るために門前へと向かう。 「この先―――ウィルオーウィプスという青白い光の玉が出現する道を通る事になりますが、くれぐれも長い間――直視しないよう気をつけてください。ああ、そうだ……念のため、これを持っておくとよいでしょう。では、道中くれぐれもお気をつけて……この先、様々な魔物と遭遇することになると思いますので――」 淡々とした口調のままシンは備蓄してある食料等の必需品の他に―――青白いガラスのついた眼鏡をくれた。しかも、一人分ではなくきちんと人数分を用意してくれたシンには感謝してもしきれない程に有り難く思う。 シン曰く―――この眼鏡はウィルオーウィプスよけの特殊な魔法具らしい。 とにもかくにも、シンから必需品を受け取った僕ら一行は―――王宮を後にし、《ティーナの酒場》とやらを目指すべく西へと歩き始めるのだった。 なるべく早く《ティーナの酒場》に着かなければ―――。 そろそろ、日が暮れて空一面を黒色のカーテンが覆うかのように辺りが暗くなってきた。 暗闇を好むのか、シンが忠告してくれたように暗闇に包まれた森の中をフヨフヨと青白い光の玉が何個も浮かんでいる。 ―――おそらく、あれが長い間直視しては危険だとされる《ウィルオーウィプス》なのだろう。 シンからウィルオーウィプスよけの特殊な魔法具眼鏡を貰っていて良かった―――と、僕が安堵した時だった。 ~♪~♪♪♪~♪~♪♪~♪♪♪~ 森の中の何処かから女性の美しい歌声が―――聞こえてきたような気がした。

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