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ティーナの酒場⑤

「この酒場に集まるのは――私とそこのカウンターにいるノルマンさん以外では……生きている人間じゃないの。」 「――生きている人間じゃない?それって……どういうこと?」 「……アンデッドだ―――そういえば、ここに来る時に森の中で簡素な墓場らしき場所があったな……それは、もしや―――」 ―――と、ここまでティーナさんやサンと話した所で森の中でナギがジッと見つめていた沢山の墓石らしい物があった事を思い出した。 「そう、あれは―――私とノルマンさんとで作った――そこにいる彼らの墓石なのよ。彼らは既に亡くなった事に……気付いてないの。だから、今はもうとっくに解決済みのギルドの依頼の話しを繰り返しする――生前、よく此処に来てくれてた彼らは――私に会いに来てくれる」 「―――さっき、ティーナさんがミスト達に飲ませようとしたの――あれ、ガニガニ草だよね?あれは――ミスト達生者には害はないけど、アンデッドには害となる――つまり、ティーナさんが言ってる事は――本当だと思うよ」 「―――それで、看板娘……貴様が頼みたい事とは何だ?そこにいるアンデッドやらと関係があるのか?」 「そ、それは―――」 と、サンが怪訝そうな顔つきをしつつティーナをジロリと睨み付け――そう尋ねると、そこで一度口をつぐんでしまう。その時、バンッと勢いよく酒場の扉が開き―――見知らぬ男が慌てた様子で中へと入ってくるのだった。

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