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大切な人を助けに⑤ ※誠視点
その後、3人のエルフ達は再び決意を固めるように互いを見つめ合うと――、
――ヒュッ……
――グサッ……!!
まずは、サンがクラーケンの黄金色に光る不気味な目に狙いをしっかりと定めてから、素早く構えていた弓矢を放って攻撃した。
「ギッ…………ッ!!?」
サンが勢いよく放った弓矢は狙い通り暗闇でギョロリと光る不気味な目に深く突き刺さり、クラーケンはその身を悶えさせながら声にならない悲鳴をあげるのだ。
「ΩΩЙβπЙΚΨΦπЙ!!」
「ΦΨΦΦπΨΚЙβΩΦ!!」
クラーケンが声にならない悲鳴をあげ――怯んだ隙にそのタイミングを待ちわびていたミストとナギがほぼ同時に火の魔法と爆発魔法を唱える。
すると、クラーケンは苦し気にヒューッヒューッとか細い息を漏らしながら鳴き声をあげ、豪々と燃えている炎に包まれつつ――暗い暗い墨汁を垂らしたかのように闇に包まれている海の底へ溶け込むように沈んでいくのだった。
※ ※ ※
「た、倒した……のか?」
「クラーケンを明確に倒せたかは――残念ながら分からないよ。もしかしたら、まだ微かに息をしていて……海の底から這い上がってくるかも……っ……」
俺が僅かに不安げな表情を浮かべながらエルフ達へと聞いてみると、ミストも俺と同じように不安そうな表情を浮かべながら口を開いてくる。
と、その時――
「……いいえ、あなたたちは――クラーケンを見事に退治してくれたわ。だって……あたしの酒場にいたノルマンさん以外の皆が――姿を消したもの。これで皆、安らかに眠れるわ………本当に、ありがとう」
クラーケンを無事に退治出来たかどうか判断しきれず困惑しきっていた俺達の背後から、酒場の看板娘ティーナが嬉しそうでいて、その半面――悲しそうという微妙な表情を浮かべながら俺達へ話しかけてくるのだった。
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