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お前に目覚めのキスを① ※誠視点
――コン、コン……
ふと、部屋の扉がノックされた事に気付くと一度、優太の側から離れてから扉の方へと歩いて行く。
ガチャ……
「夜遅くに――ごめんなさい。さっき、この煎じ薬入り香茶を作ったのよ……このウンバノ薬を飲むとどんなに体調が悪くても回復するって迷信があるの。少なくとも、何もしないよりはマシだと思うから、ユウタって子に飲ませてあげて――あ、苦味が強いから気をつけてね?」
扉を開けた先には――片手にランタンを持ち、もう片方の手にホカホカと白い湯気をたてている温かい飲み物の入ったティーカップを持ったティーナが立っていた。俺は、わざわざウンバノ薬入りの香茶を用意し、しかもここまで持ってきてくれたティーナに礼を言ってから少しだけ遠慮がちにそれを受け取ると、そのまま一階へと降りていく酒場(兼宿屋)の看板娘の後ろ姿を見送ったのだった。
そして、部屋へと戻ってきた俺は再び気を失ったままの優太と二人きりになる。
俺はそのまま優太が横たわっているベッドの方へと歩いていき、まだホカホカと湯気をたてている温かい香茶を口に含むと、強烈な苦味を感じたせいで苦痛で顔を歪ませながらも優太の半開きになっている唇へ自分の唇を重ねて口移しでウンバノ薬入りの香茶を何とか飲ませようとする。
「優太……優太――好きだ……だから、起きてくれ……っ……」
口移しでウンバノ薬入りの香茶を何とか飲ませた俺は無意識の内に、いくら小声とはいえ優太へと告白の言葉を囁いてしまっている事に気付けないのだった。
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