67 / 713

二人きりの夜⑥

「ゆ、優太……俺は――その……お前の事が……す、す……す……き……っ……」 「…………誠!?」 つい先程まで低い声で怒ったような誠が急に小声でどことなく恥ずかしそうに僕へと話しかけてきたため不思議に思った僕は再び遠慮がちに誠の方へ目線を向ける。 ――すると、頬どころか耳まで真っ赤に染まっている誠が照れくさそうに僕を真剣に見つめてきた。 「……ぼ、僕も――僕も誠の事が……大好き……っ……」 大好きな誠の耳まで真っ赤になっている顔を見た僕は――思わずニッコリと微笑んでしまう。そして、その後――心の中で固く決意すると同じように顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに誠へと自分の素直な気持ちを告げる。 ――すると、 「おい、てめえら――いつまでイチャイチャしてんだよ!?時間切れだ……とっとと代われ!!」 「わ~……マコトも恋人くんも――耳まで真っ赤だね~……面白いけど、ナギが言うとおり残念ながら時間ぎれだよ……」 と、突然――酒場にいる筈のナギとミストが勢いよく扉を開けて個室内へと乱入してくるのだった。

ともだちにシェアしよう!