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二人きりの夜⑦
おそらく、ナギとミストもウィリアムさんから個室風呂の貸し切り券を貰い――断りきれずに此所まで足を運んだのだろう。
(ここにいると……ナギとミストの邪魔になっちゃうな……酒場に戻った後で――今夜こそハッキリと誠に愛を伝えよう――)
そう思った僕は――ただ単にピンクがかったお湯に浸かったせいで染まっているだけでドキドキしてしまっているという訳じゃなく、隣に大好きな誠がいるという夢見心地のせいで先程から落ち着かない気持ちを静めると、誠と共に個室風呂の湯船から出て行くのだった。
※ ※ ※
その後――サンやティーナウィリアムやノルマンらが寝静まり、静寂と寝息に包まれる酒場へと戻った僕達は、そのまま皆を起こさないようにギシ、ギシと歩く度に軋む木の階段を慎重な足取りで昇っていってから部屋まで歩いて行く。
――カチャッ……
「――ま、誠……さっきは言いきれてなかったんだけど……ずっと前から誠に伝えたかった事がが――あるの。僕は――僕は誠の事が誰よりも……好き。誠だけを――心の底から愛してる」
「優太……俺も――俺も、お前の事が――好きだ……」
二階の部屋へと入った僕は内心は動揺しつつも、とりあえず気を落ち着かせるためにベッドの上に座る。そして、後から部屋に入ってきて此方へと歩いてきてベッドの上に腰掛ける誠の顔を真正面からジッと真剣に見つめながら、今までしまい込んでいた自分の素直な想いを告げる。
すると、勇気を振り絞って想いを告げた直後に誠から思いがけない嘘みたいな言葉が告げられ、僕は思わず満面の笑みを浮かべながら余りの嬉しさに誠を力強く抱き締めてしまうのだった。
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