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ようこそ、呪われた城へ①

※ ※ ※ ――僕は再び目を覚ます。 目を覚ましてから最初に目に飛び込んできたのは見慣れない天井だった。 一瞬、ピクシーの飼い主である村の女の子の家で眠り込んでしまったのかと思ったが、すぐにそれはないだろうと思い直した。 何故なら、今――僕が眠っているベッドが随分と豪華な事と周りにミストや誠はおろか誰一人としていない事に気付いたからだ。 こんな事を言うのは失礼だけど僕らを助けてくれた村の女の子の家の中は、どちらかといえば質素で豪華な感じではなかった。それに、酔いつぶれているミストや誠の姿がないのはともかくにしても、女の子の姿すら見えないのは少しおかしいと思ったのだ。 そして、此処は一体どこなのだろうかと心の中で動揺しつつも――ふいに、決定的におかしな事に気付いてしまう。 僕はどういう訳か、今まで着ていたダイイチキュウの学校の制服ではなく――白黒のフリルが付いているメイド服を着ているのだ。

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