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ようこそ、呪われた城へ③
「ん~……どうしようかなぁ……まず手始めに簡単な問題からにしようか。ぼくも――鬼じゃないからね~♪じゃあ、1つ目の問題――ぼくが好きな物は何でしょう?ちなみに、それは3文字で……最後にメがつくよ」
相変わらずニヤニヤと愉快そうに笑みを浮かべながら引田という男は、ナギとサンの命を手中に握られ録に抵抗すら出来ない状況のせいで――戸惑う事しか出来ない僕へと問いかける。
「ア、アニメ……!?」
「うん、正解♪」
僕が何となく思い付いた答えを引田という男へと震える声で答える。最初の問題は正解だったようで若い男は少しだけ――つまらなそうな表情を浮かべつつ言ってくる。いくら簡単な物とはいえ――それでも、引田という男が出してきた問題に正解できたという事実に僕は心の底から安堵してしまうのだ。
「おっと……ここからが――本題だよ?もしかすると、ぼくから逃げられるかも――なんて思わない方がいいかもね♪」
「そんな事よりも――次の問題は!?」
なんとかして引田という男の出してくる問題に正解し、早く檻の中に閉じ込められた可哀想なナギとサンを助け出したいと願っている僕は回りくどい引田という男の言葉を聞いてキッと男を鋭く睨み付けながら尋ねるのだ。
「つれないなぁ……まあ、いいや――。それじゃあ、次の問題――ぼくと君は初めて出会った訳ではありません。さあ、ぼくと君が初めて出会った場所は――どこでしょうか!?」
「えっ…………!?」
引田という男が出してきた2番目の問題の内容を聞いて、僕は――かなり動揺してしまう。何故なら、1番目の問題とは違い――何となく答えの見当がついてしまうという訳でもなく全くといっていい程に心当たりがないからだ。
下手に答えてしまうと、ナギやサンにこれ以上の危害が加えられてしまうと思い――悔しげな表情を露にしつつ引田という男を見つめて黙り込むことしか出来ない。
「残念ながら――時間切れ♪約束通りに、ぼくの命令を聞いて貰う事にするよ。そうだね、まずは――ぼくの目の前に立ってメイド服のスカートをたくしあげつつ【厭らしい僕の姿をじっくりと見てください】って言って貰うとしようかな」
「な……っ……!!?」
その余りにも理不尽で滅茶苦茶すぎる命令を引田という男の口から聞いた僕はサーッと血の気が引いていってしまうのだった。
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