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~呪われた城下町にて~ ※誠視点
※ ※ ※
俺が情けない事に村の少女に気を許し、ミスト共々――酒を飲んで酔っぱらってしまっている間に優太の姿が消えた。
その後、少女を問い詰めると――最初は誤魔化していたものの、徐々にボロを出した少女は――変身魔法を使って村の少女の姿となり、優太をとある場所へと連れ去った――と薄情したのだ。
しかも、変身魔法で一時的に村の少女の姿となっていたヤツの正体は――クラーケンという魔物を倒した後に訪れていた風呂屋で出会った忌々しい金髪男――ではなく、その隣で狼狽えていたエルフの少年だった。
その事自体にも驚きは感じたのだが、なんとか俺達を騙していた少年エルフから優太の居場所を聞いた俺とミストは――急いで村を後にした。
※ ※ ※
――そして、今に至る。
「あれから、僕らの後を着いてきたフィーピーの案内があったとはいえ……この呪われた城下町とやらに辿り着くまでに、結構時間がかかっちゃったね……優太は――此処にいるって聞いたけど……本当かな?」
「……さあな。ただ、何もしないであの村に居続けるよりは――マシだろう?」
村人の少女――に変身していたエルフと別れた俺とミストはフィーピーというピクシーに導かれて、今度は【呪われた城下町】とやらに辿り着いた。
エルフと別れてから【呪われた城下町】とやらに辿り着くには思ったよりも時間がかかってしまい、すっかり日が暮れかけていて辺りが薄暗くなってしまっている。こうしている間にも――どんどんと日が暮れていき、もう少しで完全に辺りは暗闇に包まれてしまうだろう。
「……ねえ、マコト……ミストがさっきから不思議に思っているんだけど――話してみても良い
かな?」
「……何だ?」
ふいに、ミストが城下町の様子をキョロキョロと見渡しながら訝しげな表情を浮かべつつ、少し遠慮がちに俺へと尋ねてくるが、何を不思議に思っているのかは大体予想がつく。
『呪われた城下町とーー呪われた城には気をつけた方がいい……特に城にはーー』
ふと、エルフが俺達と別れる前に忠告してきた言葉を思い出すが城下町の様子を見てみても特に異変は感じられない。
《店員と楽しそうに話をしながら買い物をする女の人》
《陽気に笑いながら仲間達と騒ぐ酔っぱらいの男たち》
《薄暗くなってきてるのに楽しそうに駆けながらボールで遊ぶ子供たち》
そんな微笑ましい《普通》の光景が俺とミストの目に飛び込んでくるのだ。
ーーあのエルフが言うように呪われているとは、到底思えなかった。
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