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~呪われた城下町にて~③ ※誠視点
「――お前は前に風呂屋で会った男だな……その呪われた城とやらには何があるんだ?それに、此処にいる人々に話を聞いても無駄とは……どういう事だ?」
「……ふん、人にものを聞くというのに――その偉そうな態度は何だ?以前に会った時と全く変わっていないな」
俺は二度と会いたくない、と風呂屋で思っていた相手と思わぬ場所で再会し、不満を露にしつつも偉そうな金髪の男へと尋ねる。すると、金髪の男も俺に対して明らかに不満を抱いているような表情を浮かべつつジロリと俺を睨み付けてくる。
「まあ、いい……こんな言い争いをしていても――それこそ時間の無駄だ。此処にいるヤツらに聞いても無駄だと言ったのは……それはヤツらが既に全員死んでいるからだ。しかし、ヤツらは……ある理由により成仏しきれていない……」
そこで、金髪の男は――すぅ、と息を吸い込んで急に真面目そうな顔になり、一度言葉をきる。
「だからこそ、この場所に何度でも現れ――そして消える。この城下町にかけられている呪いは――そんなヤツらの無念の気持ちを弄び、ヤツらに死の瞬間を繰り返させることだ。この城下町にかけられた【死の呪い】を解かなければヤツらは何度でも自分の死の瞬間を繰り返し……その度に苦悶の表情を浮かべ続ける――」
金髪の男は――盛大な溜め息をつくと先程まで不満げな表情を浮かべていたのが嘘かのように神妙そうな表情を浮かべて【城下町にかけられた死の呪い】について説明してきたのだった。
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