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~呪われた城下町にて④~ ※誠視点

「――そして……この城下町にかけられた呪いを解く方法を知っている奴が、あの呪われた城にいる。それに……貴様らが救いたいと思っている仲間とやらも……そいつに捕らえられている。そこで、貴様らに――ひとつ提案がある」 「おれは――今夜こそ城下町と城にかけられている呪いを解くために……これから城へと向かう。だから、呪いを解きたいという目的が同じ貴様らにも……同行してほしいのだ」 急に真面目な顔付きになった金髪の男を少し訝しげに見つめながらも、俺の傍らで僅かに困惑している様子のミストと話し合う。 そして、結果的に――俺とミストは、いけ好かない金髪の男と共に【呪われた城】へと向かっ事になったのだった。 ※ ※ ※ ――クロフォード城。 【呪われた城】が――そう呼ばれていると知ったのは城下町から城へと向かっている道中に金髪の男が俺達に教えてくれたからだ。 昔――クロフォード家という王族がその城に住んでいた。しかし、クロフォード家の長男であり王子でもあった黒髪の青年は父である王や家族達から不当な扱いを受けていたという。特に父である王は厳格で、なにかと黒髪の青年の妹だけを特別扱いして可愛がっていて彼の事は無下に扱っていたらしい。 黒髪の青年は優しい性格ではあったが、将来的に王になるための威厳など皆無であり、その事も父王の怒りを買う原因のひとつとなった。しかしながら、黒髪の青年は妹だけを可愛がる父王に対しては怒りや憎しみを抱いていたものの母や妹には――優しかった。 特に妹は目に入れても痛くならない程の大きな愛を注ぎ、ある年の妹の誕生日には美しい彫刻が施されたオルゴールを贈ったという。 ――しかし、そんな日々も長くは続かなかった。 ある時、今まで不当な扱いを受けていた黒髪の青年の怒りや憎しみの感情が遂に爆発してしまい、狂ってしまった彼は――城に火を放ち、父王や王妃である母――そして、愛する妹までも自らの手により命を奪ってしまったのだ。 そして、最期には――黒髪の青年自身までもが自害してしまい、その瞬間から城や城下町一帯は理不尽に命を奪われた者達の怨みによる【死ノ呪い】に包まれてしまったのだ―― ――と、未だに名前すら知らない金髪の男は重々しい口振りで話し終えるのだった。

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