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呪われた城の地下へ①

※ ※ ※ ※ 突然だが、僕達は今――呪われた城の地下に繋がる階段を降りている。 僕が誠を正気に戻させる事ができた後、ナギも奮闘してくれたおかげで――ミスト達を利用し、引田から城と城下町を取り返すという金髪の男の人の目論見により、操られて正気を失っていたせいで【かつて王族だった黒髪の青年の絵画】へと磔にされている引田へと火の魔法攻撃をしようとしていたミストを何とか正気にらせる事に成功したのだ。 引田には申し訳ないが――ナギやサンに加勢した僕の僅かなミスにより、ミストの火の魔法攻撃をうまいこと避けきれず、多少の火傷を追わせてしまった。まあ、そもそもといえば金髪の男の人から城と城下町を奪った引田の自業自得のせいなのだけれど――。 しかし、その肝心の引田といえば――ミストによって火の魔法攻撃をされたにも関わらず、絵画に磔にされたままグッタリと気を失ったまま未だに目を覚ます気配すらない。だが、相変わらず【さまよえる貴族の魂】は愉快げに笑いながら城のホール中を好き勝手に飛び交っている。 ――つまり、引田に対して罰を与えるだけでは、この城やおそらく城下町にかけられている呪いを根本的には解けないという事なのだろう。 そして、その後――僕達は金髪の男の人から城の呪いを解く方法を半ば強引に聞き出した。 「そこに――ひとつだけ違う色の床石があるだろう?その床石を踏むと地下に続く通路へ繋がる階段が現れる。その地下に存在している黒髪の青年の遺体をいれている棺に――そこにあるオルゴールを納めろ。そうすれば呪いは解かれる筈だ……少なくとも、私はそう聞かされていた」 悔しそうに唇を噛みしめつつ忌々しげに僕らを睨み付けながらも、金髪の男の人はポツリ、ポツリと呪いを解く方法について答えてくれたのだ。 ※ ※ ※ ※ ――ガコンッ…… 金髪の男の人が教えてくれたとおり、ひとつだけ色の違う床石を踏んでみると確かに下の通路へ繋がる階段が現れる。そして、僕らは――かつて王族だった黒髪の青年が最愛の妹へ贈ったというオルゴール持って地下に存在するという黒髪の青年の棺を探すべくゆっくりと階段を降りていくのだった。

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