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城の呪いの真実①

「ねえねえ、オルゴールが急に鳴るなんて――ちょっと変じゃない?早くそれを棺の中に入れようよ……何か――不気味だよ」 「――よし、オルゴールを棺の中に入れたぞ。これで、城の呪いは……解かれる筈だよな?」 ミストが急に鳴ったオルゴールの哀しげな旋律に怯えながら呟くと、ナギがすぐにオルゴールを黒髪の青年の遺体が納められている棺の中へと入れる。 「……お前達、何かがおかしいと思わないか?本当に……あの黒髪の青年が狂ったせいで城に火を放ち自らの命を絶ったのか――という事だ私は……どうしても、その話に納得がいかない」 「この城にかけられている呪いによって【さまよえる貴族の魂】が捕らわれ続けていて、なおかつ最後の死の瞬間の無念に捕らわれているというのなら……何故、奴らは操られたミストがヒキタというニンゲンへ火を放った時に誰一人として怖がったりする素振りさえ見せなかったんだ?」 「た、確かにサンの言う通りかも。でもさ……そ、それって……まだ城の呪いは――解かれていないかもしれないってこと?この城の呪いを解く方法が……他にもあるかもしれないってことなのかな?」 「……それは、私にも分からない。だが、その可能性もあるかもしれないという話だ」 どうやら、話し込んでいるサンとミスト――それにナギや誠にはノートらしき物を指差している水色のドレスを着た女の子の姿は見えていないらしく、ナギと誠は別の場所ばかり視線をさ迷わせている。 ミストとナギが、この城の呪いについて熱心に話している隙にドレスの女の子から指差された場所に落ちている古ぼけたノートを僕は拾い上げる。 【~リリーの日記~】 その埃まみれになっている古ぼけたノートの表紙には――いかにも子供らしいたどたどしい字で、そう書かれているのだった。

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