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リリーの願い②

『それを……貴方達に教える前に――リリーからお願いがあるの。お兄様の遺体を……あの――おぞましいヘビの死骸が埋め尽くしている棺の中から――取り出してほしいの……』 『……そして、リリーの棺の中に――お兄様の遺体を一緒に埋めて欲しいのよ。そうすれば――リリーとお兄様は……この城の呪いが解かれたとしても、ずっと一緒にいられる……だから、お願い――リリーの願いを叶えてくれるって約束するなら……貴方達の知りたい事を教えるわ』 僕にしか幽体であるリリーの姿は見えず、声も他の仲間には聞こえていないため、リリーの願いを僕の口から直接彼らに告げる。それと同時に、その願いを叶えると約束すれば――この城にかけられている呪いを解く方法を彼女が教えてくれるという事を告げると――サンはあまり乗り気じゃなかったものの最終的にはリリーの願いを叶えるという事に賛同してくれたのだ。 そうと決まれば行動するしかない、と思った僕らは協力し合って【リリーという女の子】の願い通りに大量のヘビの死骸で埋め尽くされている棺の中に納められていたリアムという黒髪の青年の遺体をすぐ側にあるリリーの棺の中へと一緒に納めるのだった。

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