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城のホールでの異変①

「――ゴーストの娘よ、お前の願い通り……兄の遺体とやらを取り出して……共に棺の中に納めてやったぞ。さあ、今度は――お前が私達の願いを叶える番だ。この……呪われた城の厄介な呪いは――どうすれば解かれるんだ?」 リリーの願いを叶えた後、待ってましたといわんばかりに、すかさず眉間に皺を寄せたサンが目視出来ないリリーへと問いかける。リリーが幽体となっているその姿は――僕にしか見えていないものの、何故かサンは的確にリリーが浮かんでいる場所をジッと見つめながら問いかけてきたのだ。もしかしたら、気配くらいは――サンにも何となく分かるのかもしれない。 『そ、それは……その――オルゴールを……っ……こわ……し……っ……』 「リリー……ど、どうしたの!?」 リリーが約束通りに僕らの願いを叶えるために――城の呪いを完全に解く方法を教えてくれようとしていたが、ふいに僕の目にはハッキリと見えていたリリーの姿が急に朧気な姿となっていき――しまいには、ふっ……と僕らの前から姿を消し去ってしまう。 ――その直後、 「う、うわぁぁぁーっ……!!」 今まで金髪の男の人によって、城のホールで磔状態にされていた引田の凄まじい叫び声が――今、僕らがいる地下にまで大音量で響き渡るのだった。

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