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デュラハン・スライム⑤

「ナゼ……ナゼ……アナタたちハ――ワタシノ邪魔ヲすルんデス!?ワタシハ……ただ……大切ナひとヲ――守りタイだけナノに……」 「ご主人様ヲ――ヒキタさまヲ……キズつけル……ヤツハ……許さナイ……許さナイ……っ……」 サンが【さまよえる貴族の魂】の結合体である巨大な黒いヘビに捕らわれて締め付けられていた金髪の男の人を間一髪で救いあげた途端に――城のホールにリアムという……かつて城に暮らしていた黒髪の青年の凄まじい怨念に憑依されているせいでデュラハンと化したライムスの怒りに満ちた声が辺りにビリビリと振動しながら響き渡る。 そして、ライムスの凄まじい怒りに満ちた声だけでなく、重なり合うように――憑依している主のリアムという黒髪の青年の怨念による途徹もない憎悪に満ちた低い声も辺り一面に響き渡るのだ。 「キサマらハ……許すワケにハ……イかナイ!!コノ場デ……灼熱ノ炎ニ……焼かれルがイイ……っ……!!」 ライムスに憑依しているリアムという黒髪の青年の怨念が憎悪に満ちた言葉を呆然とする僕らに向かって大きな声で言い放ったかと思うと――、 ――ゴォォォォ……ッ……!! 突然、メラメラと燃える黒い炎が僕らを取り囲むようにして出現し――逃げ場を失ってしまう。 僕らは急に灼熱の黒い炎に取り囲まれ、逃げ場を失ってしまうという絶体絶命のピンチに遭遇し困惑しつつも、リアムという黒髪の青年の怨念に憑依され正気を失っているライムスと戦うしか道はないと各々で理解せざるを得ないのだった。

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