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共に地下へ② ※誠視点

「ま、誠……それって――ライター?何で、ライターなんて持ってるの?もしかして、高校生なのに……タバコ吸ってたの!?誠ってば……不良……だったんだ!?」 「ち、違う……っ……違うぞ……優太!!これは隣のクラスのヤツが――荷物検査の時に無理やり預かってくれと押し付けてきただけなんだ……って……そんな事より、早く城の呪いを解く方法を探すぞ……っ……」 「冗談だってば……なんか、前の世界にいた時みたいな無愛想だった――誠らしくないよね」 クスクスと笑っている優太の言葉を聞いて、俺は珍しく慌てふためきながら必死で弁解するが――そんな俺の様子が面白かったのか尚も悪戯っぽく笑みを浮かべている優太をバツが悪そうに見つめる俺。 しかし、非常事態の今は――こんなやり取りをしている場合ではないと思い直した俺はライターで蝋燭に火を着けると僅かに明るくなった辺りを見渡してみる。 「優太――お前は、先程に此処へ置き去りにしてしまっていたオルゴールを探してくれ。俺は他に何か手掛かりになりそうな物がないかどうか――調べてみる」 「……う、うん。でも、僕は誠と……誠と一緒にオルゴールを探しに行きたい。なんか、ここにいると――ゾワゾワして……寒気が酷いんだ」 真っ青になりながら辺りをキョロキョロと不安げに見渡している恋人の優太を放っておく事が出来ずに、俺は仕方なく置き去りにしてしまったオルゴールを一緒に探す事にしたのだった。 ―――――――――――――――――――――――――― 「…………あれ、確か――この辺に置き去りにしちゃってたと思ったんだけど……何処だろう?」 「おい……あまり、くっつくな……優太だから嫌ではないが……くすぐったい――」 優太がギュウッと俺にしがみつくように、ぴたり、とくっつきながらオルゴールを落としたと思われる場所へ歩いていき必死で探す。 しかし、なかなかオルゴールは見つからない。 優太へと、思わずくっつくなと言ってしまった俺だったけれど内心では――もっと、くっついていてほしいと思ってしまった。 『~♪♪♪~♪~♪♪~♪♪♪~♪……』 すると、急に何処からかオルゴールの悲しげな旋律が響いてビクッと体を大きく跳ねさせた優太に釣られるようにして――俺も体を震わせてしまう。 【まったく……あなた方は――何処を探しておられるのデス?そんな様子では、一生城の呪いは解かれず……このまま、あなた方まで呪いの城に囚われの身となってしまいマスよ?】 オルゴールの悲しげな旋律が響いてきたのと同じ方向から、呆れたような様子の聞き覚えのない男の声が聞こえてくるのだった。

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