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共に地下へ③ ※誠視点

「なっ……だ、誰だっ……!?一体、何処から話しかけてきているんだ!?」 【おやおや――よく見てくださいよ……あなたの目の前にいるんデスから……それにしても、このユウタという……少年の体は――とても居心地がよいデスね……】 俺は背後にいる優太の方から見知らぬ男の声が聞こえてくる事に気付いて――慌てて後ろを振り返った。そこには、何かに憑依されているかのように無表情のまま虚ろな瞳を此方へ向けてくる優太がいて――思わず後退ってしまう。 【おや……何デスか……その態度は?せっかく――この城にかけられている呪いを解くためのヒントを教えてあげようと、この少年に憑依しているのに……心外デスね!!まあ心外デスが……リアム様をお救いするためにも……あなたにヒントを教えましょう】 【城の呪いの完全に解く方法は――あの樽の中にあります……ああ、因みに――さまよえる貴族の魂の結合体である巨大なヘビを倒すヒント――ともいえますね……これ以上は、ワタシからは何も言えないデス……あなた方の健闘を祈ります……我が主人であるリアム様をお救いするためにも……っ……】 優太に憑依していたであろう謎の男の冷静な声が聞こえなくなった途端に石畳の床へとズルリと崩れ落ちそうになった優太の体を俺は慌てて支える。 「おい……おい……優太――大丈夫か!?」 「んん……っ……ま、誠……どうしたの!?」 キョトンとした表情を浮かべて俺の顔を見つめてくる優太を目の当たりにすると――思わず脱力してしまいそうになるが、ふいに先程の妙に丁寧な口調で話してくる謎の人物の言葉を思い出した俺は急いでその男が示してくれた樽を調べるためにその方向へと足早に駆けて行くのだった。

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