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いざ、村の市場へ②

「……さて、キサマらに――いくつか聞きたい事がある。まずはキサマらは、この村に何をしに来た!?この村は少し前までは栄えていたものの、今は廃村も同然だ――そのような村に……何をしに来たと聞いているんだ!!」 「え、えっと……僕らはただ――この白い花の情報を求めて……この村に来ただけで……っ……」 僕の背中に銃口を突き付けたまま、半ば強引に――とある民家らしき場所へと僕ら一行を連れてきた謎の男が、未だに興奮して怒りと不信感を露にしているままの状態で尋ねてきた。 その問いかけに対して、僕は――しどろもどろにだが、何とかポツリポツリと答える。 謎の男の人が興奮して怒りを露にしている様子にも戸惑ってしまうのだが、何よりも――その謎の男の人の容姿に対しても動揺を隠せずに呆然としてしまう。 ――灰色のフサフサとした毛に覆われている全身。 ――月のような黄金色の鋭い瞳。 ――毛に覆われている全身を隠すように着ている闇に溶け込むかのような黒いローブ。 ――そして何よりも僕が恐怖を抱いてしまった鋭く尖っている爪と牙。 『あ、ほら……これ格好いいよね――ワーウルフっていうんだよ。人間と狼が混じった種族なんだってさ……男なら一度はこの目で見てみたいし憧れるよね……あ、でも――優太は怖がりだから一目散に逃げちゃうかもね~……』 またしても――いつかの想太との会話が頭の中にフッ……と浮かんで、すぐに消えてしまい名残惜しく思ってしまった。 今――僕らへと怒りと不信という感情を露にして僕の背中に銃口を突き付けている存在……それは、まさに想太が以前に言っていた【ワーウルフ】という種族の容姿の特徴とソックリなのだ。

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