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ようこそ、俺と君との愛の巣へ① ※ナギ視点

◆ ◆ ◆ 「ほらほら……起きてってば……優しくて単純なエルフのお兄さんっ……そろそろ、リッくんが来る頃よっ……バカみたいに眠っている場合じゃなくなるわよ~♪なにせ……これからエルフのお兄さんは――リッくんから愛の手ほどきを受けるんですもの!!」 「……うっ……ううっ……て、てめえ――俺様に何をしやがった!?体が……言うことを聞かねえっつーの……」 ナギが目を覚ました時、アラクネがクスクスと楽しげに笑う美しい顔が真っ先に飛び込んできた。ナギは、そのアラクネの愉快げに笑う姿を目にしただけで怒りがフツフツと沸いてきたが、ふいに体が自由に動かせない事に気付くのだ。 目線をアラクネの顔から己の体へと移したナギは余りにも絶望的な状況である事を察して、チッ……と舌打ちしながらアラクネをジロッと睨み付けてしまう。 先ほど村にいた時のように――アラクネの強靭な糸によって全身グルグル巻きとまではいかないまでも、両手両足を糸によって巻き付けられて拘束されている事に気付いてしまったのだ。 (そもそも……ここは、一体何処なんだよ……それに彼処にいる奴等は俺様と同じようなエルフじゃねえか……まさか、全員俺様と同じように……リッくんとかいうふざけたニンゲンの野郎に誘拐されたのか――) ナギはそんな事を心の中で思いながらも、目線だけを移して出来るだけ辺りの様子を確認してみる。すると、今――ナギが横たわっている場所から少し離れた場所には途徹もない恐怖からかガタガタと身を震わせつつ互いに慰め合うように身を縮こまらせているエルフ達がいる事に気付く。 少し離れた場所で身を縮こまらせているエルフ達は少し見辛いものの、おそらくは10人以上のエルフ達が互いに慰め合っているようだ。 ――カツッ……カッ…… ――コツッ……コツ、コツッ…… ふいに、辺りを注意深く観察していたナギの耳に――遠くの方から誰かがゆっくりと歩いているような足音が聞こえてくる。 ――ガチャッ……!! そして、ピタリと足音が唐突に止まったかと思った途端に扉が開かれるのだった。

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