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ようこそ、俺の君の愛の巣へ② ※ナギ視点

「リッくん……ただ今帰ったわっ……それと、命令通りにリッくん好みのエルフのお兄さんも――連れてきたのっ!!あたしもだけど、ハーピーも頑張ったのよね~♪」 「キューイ……キュイ、アラクネしゃま……ありがとうございましゅ……」 扉が開かれた途端に相変わらず喧しい甲高い声で騒いでいるアラクネと――糸でがんじ絡めにされていた俺様を連れさったハーピーとやらが部屋の中へと入ってきたニンゲンの男へと言ってきたため思わず眉を潜めてしまう。 甲高いキーキー声で騒いでいる蜘蛛女のアラクネに比べると、まだハーピーとやらの方が可愛らしさもあるためマシだと思ってしまう。ハーピーの腕全体を覆い尽くすように生えている虹色の翼は普段から女の容姿に興味すらない俺様でさえ美しいと思うし、頭につけている白い花飾りが、とてもよく似合っていると思う。 「やあ、おかえり……アラクネちゃんに――ハーピーちゃん。アラクネちゃんら――相変わらず元気でいいよ。ハーピーちゃんも控えめで……とても可愛いらしいよ。ああ、それと………」 「く、くそっ……てめえ、何しやがる……さっさと――その汚い手を離しやがれっ!!」 俺様が少しだけ、控えめで可愛らしい見た目をしているハーピーとやらに見惚れてしまっていると――ゆっくりと此方へと近づいてきたニンゲンの野郎が俺様の顎を少し乱暴に掴んできたため思いっきり睨み付けながら悪態をつくのだった。

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