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ようこそ、俺の君との愛の巣へ⑥ ※ナギ視点
「俺達が優位にたっているこの状況で――そんな生意気な口をきくなんて……っ……本当に憎らしいよ。でも、それがイイんだよ!!単に俺に媚びる従順な奴等よりも生意気な子を屈服させるのが最高に楽しいのさ。ああ――アラクネちゃんとハーピーちゃんは別だよ……君らは俺の大切な仲間だからね~……」
「……ふん、仲間って言ったって――その喧しい蜘蛛女もハーピーとかいう鳥女も……結局はてめえに命令されて従っているだけじゃねえかっ……仲間ってのは、心から信頼できる奴の事を言うんだよ!!」
俺様がスーツ姿のニンゲン男を睨み付けつつ言い放つと、初めて奴は黙り込んでしまう。そして、その後すぐに――まるで人形のように無表情似なりながら生気のない不気味な瞳を俺様へと向けた。
しかし、ふいにスーツ姿のニンゲン男が再び表面上は穏やかに見える笑みを浮かべながら俺様から視線をふっ……と外すと、仲間であるアラクネとハーピーの方に目線を移して彼女らをチラッと一瞥するのだ。
「……アラクネちゃん、ハーピーちゃん――ちょっとこの生意気なエルフ君と二人きりにしてもらってもいいかな?ああ、それと……エルフの奴隷達――むろん、オマエらも出て行けよ。それと、アラクネちゃん……ここから出て行く前に……この生意気なエルフ君に良いものを見せてあげて?」
「分かったわ……リッくん♪この子にアレを見せるのねっ……生意気なエルフのお兄さん――せいぜい、ショックを受けるといいわっ!!あたしの下を見てみなさい。糸の上に溜まっている水の玉が見えるでしょっ……ほら、生意気なエルフのお兄さんの――大切なニンゲンのあられもない姿が見えてきたわよ~……」
スーツ姿のニンゲン男とアラクネがニヤリと笑い、俺様の顔を覗きながら見下すように言ってきたため、途徹もなく屈辱的な感情を抱きつつ二人を睨み付けながらも渋々と下を見つめる。
すると、アラクネの周囲に張り巡らされた糸の上の――だいたい真ん中辺りに大きめな水の玉が乗っかっていて何かの映像が表面に映し出されているのが分かる。
「…………シ、シリカッ……!?くそっ……て、てめえら……シリカに何をしやがったんだ!?」
「ん~……別に俺らは何もしてないよ……というか、そっか~……このシリカっていう子が君の想い人かぁ……なるほど、確かに可愛いし生意気そうだけど……人間の時点で俺の好みではないね。俺はエルフにしか眼中にないよ。それに、オークの大群に犯されて、あんなに厭らしくアンアン喘いでいるような淫乱な人間の子なんて……論外でしょ。ねえ、そうは思わない――生意気なエルフ君?」
「て、てめえっ……それ以上言うんじゃねえっ!!これ以上、シリカを馬鹿にしたら――てめえの事をぶっ殺してやる!!」
俺様がこれ以上ない程の凄まじい怒りを露にしながら鋭くスーツ姿のニンゲン男を睨み付けると――同時にアラクネの周囲に張り巡らされた糸の上に乗っかっている水の玉に映し出されていたシリカの映像が途端に消えた。
そして、そのままアラクネやハーピー……それに従順なエルフの奴隷達が先程の命令通りにゾロゾロと出て行ってしまい、部屋の中に俺様とスーツ姿のニンゲン男の二人きりとなってしまうのだった。
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