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スーツ姿の男がいる場所の手掛かりを探して①

「ちょっ……ちょっと――優太くん、苦しいってば!!まあ、それはともかくとして……これでガルフっていう狼人間の具合は多少良くなるだろうけど――それからの事はどうするの?結局、ナギっていうエルフはスーツ姿の男に連れ去られたままで居場所すら分かっていないじゃないか……っ……」 引田は僕に抱き付かけると慌てふためきながら、急いで僕の体を引き離してくる。ふと、誠とミストからジッと見られているような気がした僕は――ふっ……と目線をそちらへと向けてみる。どことなく、誠とミストが――厳しい目付きで僕と引田のやり取りを見つめていたのだ。 それから、少しして――僕は苦しげに肩を上下させながらガルフの元へと近付くと、さっき引田から手渡された薄い紫色をしていてパッと見は飴のような見た目の魔薬ドロップとやらをガルフさんへと慎重に食べさせる。 すると、ガルフさんは魔薬ドロップを食べてから暫くして――徐々にだが苦しげに呼吸をする事がなくなっていき、そのままスースーと寝息をたてて眠りにつくのだった。 その事に対して安堵していた僕の頭に――ふっと先程の引田の言葉が浮かんできて、またしても次の問題にぶつかってしまう。アラクネに操られていたワーウルフの群れを気絶させ、ガルフさんの体調も良くなったのは良いものの――結局はナギを連れ去ったスーツ姿の男の居場所が判明するどころか、その手掛かりさえ掴めていないのだ。 (そうだよ――引田の言う通りだ……操られていたワーウルフの群れを気絶させた所で――スーツ姿の男がいる場所を突き止められていないことに変わりはないじゃないか……) どうしたものか――と僕が心の中で考えながら周辺を見渡して何か手掛かりはないかと歩いていると、ふいに井戸の周りで気絶しているワーウルフの群れが携えていて地面へと乱雑に散らばった彼らの荷物を見つけた。 (そういえばガルフさんは――部下達がスーツ姿の男の人の側近であるアラクネを始末しに行くって言ってた……側近ってことはスーツ姿の男の一番側にいる筈――つまり、この散らばっている荷物の中に何かスーツ姿の男の人の居場所に繋がる手掛かりがあるかもしれない……確実にとはいえないかもだけど……試してみよう) ――そう思った僕は、心の中で非礼を詫びつつも井戸の周りに散らばってしまったガルフの部下達であるワーウルフの群れの荷物の中身を手当たり次第に探るのだった。

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