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スーツ姿の男がいる場所の手掛かりを探して②
井戸の周りに散らばったワーウルフの荷物の中に、スーツ姿の男に関する手掛かりがあるかどうか必死で探していると、ふいに――所々薄汚れている二つ折りに畳まれた紙切れを見つける。
――どうやら、この村周辺の地図らしい。
そして、夜空に浮かぶ月明かりを頼りに紙切れを見てみると、ある部分が赤丸で囲まれていて――そのすぐ側にアラクネの見た目と瓜二つな蜘蛛の絵が描かれているのが分かる。
しかし、その赤丸で囲まれている部分にアラクネ(スーツ姿の男とハーピーも)がいるのだろうと悟ってみたものの、肝心のその部分が何という場所なのかが分からない。
【ёлзφφξξθθλψσ】
地図上の赤い丸で囲まれているすぐ右側に何か文字のようなものが書かれているのだが、何と読むのかが分からない。気絶しているワーウルフの群れを叩き起こす訳にいかないし、かといって――体調が回復したばかりでグッスリと眠りについているガルフさんに尋ねてみる訳にといかない。
このままじゃ埒が開かないと、ミストに聞いてみようと地図を持ちながら彼の元へと戻って行こうとした時――、
「これハ……コダイ語デ……【死と始まりの塔】と書かれていマス……ある方ガ教えてくれたのデ……間違いありませんヨ――これから此処に向かうのデスか?案内ハ……このライムスにお任せヲ……優太サン……」
「わっ……ラ、ライムス……っ……!?」
僕の背後からひょっこりの顔を覗かせて地図の赤丸で囲まれている部分をジッと見つめながら、ライムスの頼もしい声が聞こえてきたため安堵すると同時に余りの驚きのせいで――僕は思わずビクッと体を震わせてその拍子に手に手に持っていた地図をうっかり地面へと落としてしまうのだった。
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