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ようこそ、【死と始まりの塔】へ①

※ ※ ※ 「おい、おい……優太――もう、とっくに朝だぞ!?まったく……昨夜はあの無愛想なエルフと共に戻ってきたかと思えば……頬に傷までできてるなんて――何があったかは知らないが、用心しなくちゃダメだろう?」 「…………う……ん――おはよう、誠……」 翌朝、眩しいくらいにサンサンと降り注ぐ日の光と僕を起こす心配そうな誠の声で目を覚ました。そのまま、夢見心地ではあったものの――ゆっくりと身を起こしてから辺りを見回すと誠と同様に心配そうな表情を浮かべているミスト・引田・ライムスの姿が僕の目に飛び込んでくるのだ。 サンは相変わらず僕には目もくれず、どこか遠い目をしている。まあ、その方が彼らしいとあば彼らしいので――特に気にはならなかった。 「あ~……もう、やっと起きた!!マコトだけじゃなくて、ミスト達も――ユウタの事を心配してたんだからっ……もちろん、サンもね。まあ、それはともかくとして――ミスト達が必死に看病したから……ガルフさんの状態がかなり良くなったよ……それでね、そのガルフさんが一刻も早く……今すぐにでも【死と始まりの塔】へ向かうって言ってるけど――どうする!?」 そのミストの問いかけに対する答えは、僕の中で既に決まっていた。だから、後は皆に僕がこれからどうしたいか思いを伝えるだけ――。 「僕も……ガルフさんの意見に賛成だよ。一刻も早く【死と始まりの塔】へと向かって出来れば夜までには着きたい。この辺りは水辺も多いし、夜になると危険だから――。それに、一刻も早くナギやガルフさんのお友達を助けたいんだ――」 「……了解!!」 僕がミストの問いかけに対して少し遠慮がちに答えると、皆はコクッと頷いてから了承してくれたため心の底から安堵して満面の笑みを浮かべた。 その後、ひととおり準備し終えた僕ら一行は村を後にし、体調が回復したガルフさんと共にスーツ姿の男の人と――その側近であるアラクネやハーピーが潜んでいるという【死と始まりの塔】を目指して歩みを進めて行くのだった。

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