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泥人形との戦い②

「テキ反応……アリ――ニンシキ中……ニンシキ中……ニンシキ完了……これヨリ……攻撃……開始し……マス……」 「なっ……何なんだ……コイツは……っ……!?」 ――誠の姿を見た途端にピタッと動きを止めてブツブツと呟くゴーレム。 その直後、ゴーレムの瞳が真っ赤に光ったと僕らが認識した途端に――その大きくてゴツゴツしている片腕を振り上げ、誠だけに狙いを定めて勢いよく降り下ろそうとしてきたのだ。下手すれば、誠の体が――ぺしゃんこになってしまう。 「ま……誠……ごめんっ……!!」 ――ドゴォッ……!! それに気付いた僕は慌てて誠の元へと駆け寄ると、ダイイチキュウで遊んだゲームの中でしか見た事がないようなゴーレムの異様な姿を目の当たりにして、怯えているせいで呆然としつつ尻餅をつきながら動けなくなっている誠の体を渾身の力で横へと突飛ばした。 ――ゴーレムは僕が誠の体を突飛ばして攻撃を妨害したにも関わらず、やはり僕には攻撃しようとしてこない。 間一髪でまともに喰らっていれば、ぺしゃんこになっていたであろう危険な攻撃をかわす事が出来てホッと安堵したのも束の間、またしてもゴーレムは僕から突き飛ばされて苦しそうに呻いている誠に狙いを定めて次なる攻撃を仕掛けてこようとするのだった。

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