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操り人形との戦い④

【――用済ミ……用済ミ……】 【無能でありし者共ハ――塵になりヤ……去ネ……去ネ――去ネ……】 ふいに、巨大な日本人形の姿から奇怪な蜘蛛の姿へと変化した【操り人形】が感情の込もっていない淡々とした口調で――しかし、その一方で……まるで幼い女の子のような甲高い声をあげつつ、本来の日本人形らしく無表情のままその白塗りで口紅が目立つ不気味な顔を――呆気にとられてポカーンとしている僕ら一行の方ではなく、既に戦意消失しているであろうゴーレム達の佇んでいる方へゆっくりと向けるのだった。 ――シュ……ッ…… 【操り人形・蜘蛛ノ形】の――あまりの素早さに初めは何が起きたのか理解出来なかった。もっとも、それは白い糸によって操られ正気を失ってしまったままの引田に未だに強い力で首を絞められているからなのかもしれない。 ――グシャッ……!! ムシャ、ムシャ…… 【操り人形・蜘蛛ノ形】が、その真っ赤な紅のついた口元を大きく開け、そして――呆然と佇んでいるままのゴーレム達へと順々に白い糸を勢いよく吐いた。 そして、そのまま目にも止まらぬ素早さで己の口の中へと力強く引き寄せ、今は奇怪な蜘蛛の姿である【操り人形】の口の中に有無を言わせず強引に引き寄せられた哀れなゴーレム達は――つい先程までとは違って口元を醜悪に歪めながら満足げに咀嚼している化け物というべき【操り人形】の存在によって無惨にも、むしゃむしゃと食われてしまうのだった。

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