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いざ、繭腹の中から外の世界へ② ※誠視点

――タタッ…… ――ダダダッ………… 「ライムス……人型から元の姿に戻って――ぼくの前方に来い……早くしろっ……!!」 繭腹の中から出てきた引田が――自分の主人である引田が無事に戻ってきた事に対して安堵しているライムスへと向かって命令する。するとライムスは主人の命令通りに人型から緑色のドロドロネバネバしていて弾力性もあるスライム本来の姿へと戻り【操り人形・蜘蛛ノ形】の繭腹から走ってきている引田の前方へと急いで向かっていく。 「ライムス……少し我慢しろっ……」 「か……かしこまりデス――ご主人サマ!!」 ――ボヨンッ……!! すると、引田は恐らく周りの他の仲間にとっては思いもしないような行動に出る。 本来のスライムの姿となったライムスをバネにして両足で踏み込み――その反動を利用して高くジャンプしようとしている引田を確認した俺は急いで繭腹の中へと出て彼の元へと駆け寄ると手に野球ボールよりも一回り大きくなった粘土状のゴーレムの残骸の塊を持ったまま――高く飛躍する引田の側へと急いで移動するのだ。 「――引田、全ての力を……込めろっ!!」 「――これでも、くらえっ!!」 ――バシッ…………!! 俺がゴーレムの残骸の塊をトスし、そして元バレーボール部の一員だった引田がスパイクをするように――俺が上へと上げたソレを高く飛躍した引田が思いっきり化け物蜘蛛の本体に狙いを定めて打ち付ける。 「……がルフとかいう狼男――ソレを銃で撃って――よし、今だっ!!」 「……っ…………!?」 その直後、スタッ……と地面へ見事に着地しようとしている引田が真剣な様子でがルフさんへと言い放つ声が――一際大きく辺りへと響き渡るのだった。

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