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【操り人形・女郎蜘蛛ノ形】との戦い④

――ゴクンッ……!! 僕は尚も体の内側から燃えるような苦痛に必死で耐えていたのだが、内心は夢見心地のように幸せだった。 やむを得ない状況だとしても、久々に誠と触れ合え、まして――口移しで水を飲ませてもらえたのだ。体も燃える様に熱いが、僕の顔も別の意味で真っ赤になってしまった。 その後、既に水を飲ませてくれたにも関わらず、未だに僕の唇に己の唇を重ねている誠の顔をチラッと見つめて様子を伺った。 「―――大丈夫か、優太!?」 「う、うん…………さっきよりは楽に……なったよ……っ……!?」 ようやく誠が僕から離れると、心配そうな表情を浮かべて尋ねてくれた。すると、ふいに僕の体に熱さとは別の異変が現れる。そして、それに耐えられず――すぐに鼻を手で抑えた。 「ん………ユウタ、どうしたの?まさか、また体がおかしくなったの?」 「は、鼻が……鼻がかゆい!!ムズムズする……まるで、花粉症みたいだ。」 「…………カフンショウ?」 僕とミストが、そんな会話のやり取りをしていると、ふいに引田が何かを手に持って僕の方へと近付いてきた。 ――そして、 「優太君、ちょっと強引なやり方だけど許してね?痛かったり――くすぐったりしたら……ごめんっ!!」 ――コチョ―― ――コチョ―――コチョ―― 引田が手に持っていた物―――それは、ティッシュで作られた――こよりだったのだ。 「…………はっ……はっ…………!!」 「はっくしょんっ…………!!」 ーーポトッ……… 僕が、こよりで鼻をくすぐられ――堪えきれずに、少し大きめのくしゃみをしてしまうと、何か小さな物体が出てきた。 そして、何の躊躇もなく引田がその落ちた物体を拾うと、そのまま飲み水として持ち歩いていた水でバシャバシャと物体を洗い始めたのだった。

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