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【操り人形・女郎蜘蛛ノ形】との戦い⑤

「ユウタさん、ユウタさんの体をおかしくしてたのは――コイツです。コイツがユウタさんの体に入り込み、悪さをしてたんです!!」 「わっ……ライムスの声!?でも、ライムス――君は何処にいるの?」 僕が、盛大なくしゃみをした途端、すぐに体の調子が良くなり――先程まで苦しめられていた熱さも完全に消え去った。それに安堵すると同時に、声は聞こえているものの姿を見せないライムスへ怪訝そうな表情を浮かべつつ尋ねる。 ――すると、 「優太君、ライムスなら此処にいるよ。ぼくの言い付け通り、君の口に入り込んだ忌々しい子蜘蛛を捕まえてくれたよ。よし、ライムス――元に戻っていいよ。」 「は、はい――御主人様!!」 ―――ポヨンッ…… 突如、引田の言葉と共に――ゲーム等でよく表現されている、ありふれたスライムの形状のライムスが現れた。よくよく見てれば、スライムの形状のライムスの中に子蜘蛛が捕らえられ、苦しげにもがいている事に気付いたのだ。 「な、何で…………もしかして、ライムスは僕の体の中に入って、この子蜘蛛を捕まえてきたの?」 「そうだよ?優太君――ライムスは、どんな物にも姿を変えられるんだ。だから、このカプセル状の薬みたいに小さくなってもらって、君に水と一緒にライムスを飲み込んでもらったんだよ。ライムスなら、スライムだから――薬みたいに溶けてしまう心配はなかったしね」 僕が不思議そうに尋ねると、ニヤリと悪戯っぽく笑いながら引田がズボンの中から小さな薬を取り出した。そして、その薬を見せながらライムスがどうやって子蜘蛛を捕らえたか、という事を説明してくれた。 ――グチャッ……!! 「さてと、優太君を散々苦しめたコイツ―――どうしてくれようか?とりあえず、足で踏み潰してやるか……」 プチュ…… グリ、グリッ…… ふいに嫌な音がして、それを聞く事で、引田が子蜘蛛を容赦なく踏み潰した事――それと完全に子蜘蛛を始末した事を、僕は目を瞑りながら確信したのだった。

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