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【操り人形・女郎蜘蛛ノ形】の最後②
ライムスという異物が腹の中に入った事により、ミストへと息吐き攻撃を繰り出していた【操り人形・女郎蜘蛛ノ形】の動きが、ピタリと止まった。
――そして、
「ううっ……うぇぇぇぇっ!!」
【操り人形・女郎蜘蛛ノ形】は辺りに響き渡るような、けたたましい呻き声と共に、己にとっては異物であるライムスを吐き出した。その時、真っ赤に燃え上がる炎と共に吐き出された為、ライムスは引田の命令通りに【操り人形・女郎蜘蛛ノ形】の弱点である画用紙を自らの体の中で守りながら取り返すという事を叶えたものの、吐き出された炎に包まれて苦しげな声をあげつつ―――そのまま、地面に着地した。
「ライムス……大丈夫なのっ――!?」
「大丈夫です、ユウタさん。このまま溶けたとしても、私はスライムなので――暫くすれば、元に戻ります。それよりも早く……ガヨウシを!!」
「ユウタ、ミストの風の召喚魔法で、この邪魔な炎を取り去るよ――$$$υυυ%%&&ΨΨΨ!!」
ミストが風魔法を唱えた途端――炎に包まれているライムスの周辺に、緑色の服を来た可愛らしい小指程の女の子が現れ、ふううっと息を吐きかけた。すると、ライムスの体に纏わりついていた炎が徐々に消え去ったのだ。
―――ズボッ……!!
「よし、これで画用紙は取り返せた。問題は、これを使ってどうやって【操り人形・女郎蜘蛛の形】にトドメをさすか――だけど。そうだ、炎だ!!誠の持ってるライターの炎で火をつけて燃やしてみたら――どうかな?」
「俺の持ってたライターが、こんなに役に立つとは思わなかった。よし、やってみるからちょっと待ってろ!!」
――シュボッ……!!
僕の提案を聞くと、誠がフッと軽く笑みを浮かべて、自分のズボンのポケットに入っているライターを取り出して、画用紙に火をつけてくれた。
――しかし、
ライターで画用紙に火ををつけたのはよいものの――徐々にその炎は消えていってしまう。その後も何度か試してみるものの、ライターで画用紙に火をつけてみても最初は火がつくのだが―――最終的には、消えてしまい僕らはガッカリして肩を降ろしてしまうのだった。
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